黒子のバスケ
□第5Q
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「それで?緑間っちに嫌われたから退部届け出したって、正気っスか」
秀徳の制服を着たままだったので目立つと言われ「ちょっと待ってて、帰る準備してくるっス」と私をその場に置き去りにして
再び校内に戻った黄瀬君はそれから五分も経たないうちに戻ってきた。
いいのかと尋ねたら、たまたま今日は体育館の整備があるらしく部活ができないんスと言ったあと、
ななしっちをこのまま放っておけないッスと笑って学校の裏門から出て今、道を歩いているわけだ。
キミが顔だけの残念モデルでない事が今更ながらわかった気がするよ。
「正気だよ、真っ白に燃え尽きちまったのさ」
「なんスか、それ」
あの有名なアニメを知らないのか、と意気込んだら呆れ顔をされた。
「そう言う事じゃなくて、退部しなくても緑間っちと話すればいいだけじゃないスか?」
「…それができないから学校サボって放浪の旅をしてるんじゃん」
「放浪の旅っ言っても、たった隣じゃないっスか、本気で辞めたいわけじゃないんスよね?マネージャー」
「……………」
頭の後ろで腕を組み横目でこちらを見てくる黄瀬君。
見上げる程に高い身長を見ることなく俯く。
どちらもしゃべる事なく流れる沈黙。
「あーもうっ!俺こうゆー重たい空気苦手っス!」
急に大きな声を出したと思ったら腕を引かれてズンズンと歩き出した。
「ちょ、ドコ行くの?」
「わかんねぇスけど、気晴らしになるトコ探すっスよ!!」
右手で腕を引かれ懐からスマホを取りだして左手で器用に何かを打ち込んでいる。
なんだかんだで仲間思いだよね黄瀬君。