黒子のバスケ

□第5Q
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「…話はだいたい分かったけど、何でココに居るんスか」



「あれまぁ、高校別になった途端冷たくなっちゃって…そんな風に育てた覚えはありませんよ、涼ちゃん!」


「お母さんスか!俺、ななしっちに育てられた覚えないっスよ!」


「安心して、私もナイ」








私はあれから神奈川にやってきていた。

あてもなく電車を乗り継いでいつの間にか降りていたのが此処だった。


気分はぶらり途中下車の旅ようだと半分思いながら歩いていると前から見知らぬお婆ちゃんが歩いているのが見え不安気な顔であたりを見渡していた。


どうしたんだろう、と近くに寄って声をかけたらお孫さんの忘れ物を届けるために海常高校に行きたいのだか迷ってしまったと、
オロオロしていたので一緒に海常まで行くことにした。



海常高校にコッソリ偵察に行ったりしていたので道はそれなりに覚えていたし、困っている人がいたら助けるのが当たり前だと
この前秀徳に通学路の交通安全で説明に来ていた警察の人も言ってたし、どうせ暇だし、暇だし、暇だし……。


授業はどうしたとか聞かないでくれると有り難い。




そんな訳で海常高校へと無事に案内し、お婆ちゃんもお孫さんに会えたようでほっと胸を撫で下ろしていた。


それからお婆ちゃんと別れて校舎をふらふら歩いていると、どこからともなく「あああああ!?」と叫び声のようなものが聞こえて見
渡すが誰も居らず、今度はダダダダッと走って来る音が聞こえて前を見ると見知った顔が大口を開けて指を差して戦いていた。




「あ、久しぶり。黄瀬君」



しゅたっと右手を挙げ旧友に挨拶すると早歩きで間合いを詰めてそのまま腕を引っ張られ体育館裏まで連れて来られた。



「こんな人気のない所に引っ張りこんで、私をどうしようって言うの黄瀬君!?ななし、怖いっ」


「……………で、どうしたんスか」


「スルーかよ」


「いや、こっちがイロイロ聞きたいんスけど、ななしっちのそういうトコ変わってないっスね」





あーナルホド。簡単に言ったら「メンドクセェ」と、解釈解釈。



私、負けないんだから…!(ぐすん)




それから今日有ったことを黄瀬君に話して、話は冒頭に戻るのだ。



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