駄作

□秋の訪れ
1ページ/1ページ


「今年もキンモクセイの季節がきたね。」
学校の帰り道、背伸びをしながら蘭がそう言った。


_____________秋の訪れ



金木犀は秋になると、甘い香りがする。
その甘い香りが、俺はどうしても好きになれない。
この香りが好きなんだーなんて話している彼女に、
これだけは共感することができない。

「ちょっと、新一聞いてる!?」
彼女のその一言にとても驚いた。
しかし、そんな彼女の怒っている顔も好きだ。
そう思う自分が、彼女のことが好きなんだと
思わず鼻で笑ってしまった。

「それでね、なんで私がキンモクセイが好きか知ってる?」
「んなのしらねーよ。」
そんなこと、どうだっていいだろ。
そう彼女に言おうと思った瞬間、
蘭はぴょんっ!と前に跳ね、
「新一との思い出がいっぱい詰まってるからだよ!!」
言い終わると俺の方に振り返り、
笑顔で早く帰ろう!とせかし始めた。


…金木犀っていい香りだな…

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ