私の永遠をあなたにあげる
□なぞった涙のかたち
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彼はいつも私の頬に伝った涙の跡に口づけをする
優しく柔らかく
一瞬触れた唇は
次に私の目に映るときには
うっすらと私の涙の跡が移っている
彼はそれを細い舌先で美味しそうに舐める
そうすると私の涙は止まる
彼の甘い優美な仕草に
私の全てを奪われてしまう
『何でいつもそんなことするの』
腫らした目で私が言う
咎めているわけじゃない
私は彼のその仕草が好き
「お前の涙が好きだから」
彼がいつも私を泣かせる理由がわかった
なぞった涙のかたち
それは彼の愛のかたち