Novel2

□初めての
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「よぉ…ジェイド先生♪」
ガラガラとノックもなしに保健室へ入ってきたのは赤い髪のゼロスだった。

「おや、ゼロスですか。何の用です?怪我や病気の類ではなさそうですが…」
「あらあら、釣れないじゃないの〜?それより噂通り生活感醸し出してるねぇ…」

このゼロス、会議にて決まった増員にて新たに入ってきた教師で科目は意外にも社会を担当している。
ジェイドは今仕事をしていて邪魔をされたためか機嫌が悪い。

「あの、用がないなら出てください。私は今仕事中なんですが」

「そんなの後でも出来んじゃないのよ。そんなんだから女ッ気ないんじゃねぇの?」
「そうですね。それ以前に興味がありませんから」

話しながらもジェイドは黙々と作業を続ける。

「うーわー可哀相だねぇ…じゃあナンパなんて」
「ないですよ。バカバカしい。そんな不純な事したら陛…いえ、理事長や養父に何を言われるか……で、もう言いたい事は言ったでしょう?帰りなさい」

顔は相変わらずパソコンの方へ向いてる。

「おいおい先生よぉ、それはないでしょーよ。俺がナンパの魅力教えてやっから」
「結構です!」

ジェイドはバッサリ断る。
ジェイド、実はモテていたりする。
顔よし、頭よし、財力、地位もよし、さらに家事や料理も出来る。
モテないはずがない。
しかしジェイドは見た目と腹の中の割にウブなため女性との関係は会話止まりなのだ。

「おーおー顔赤くしちゃって。オレサマがあんたの渋皮剥いてあげるから」
「いや、要りませんよ」
「付き合ってくれたら帰るからさ」
「本当でしょうね?」









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