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□もものはな
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「明かりを付けましょ雪洞(ぼんぼり)にぃ〜♪」
アニスが上機嫌で歌いながら色々な用意をする。

「アニス上機嫌だなぁ〜」
ルークがアニスから一歩引いた場所から呟く。
「あったりまえでしょ。今日は女の子の日なんだから♪」
ふんふんふ〜ん♪と鼻歌を歌いながらひな壇に飾り付けをしていく。

「ホドにはこのようなイベントがありましたのね。ティアは知っていらして?」
「いえ。知らなかったわ。ユリアシティにはなかったし、私が生まれてすぐに魔界に落ちたから」
ナタリアとティアも仲良く飾り付けをしている。

「あ、じゃあ総長は知ってたのかな?」
「ホド戦争はヴァンが12の頃だからな。知ってたんじゃないか?」
「しかし、ヴァンは殿方ですわよ?ティアは1才なるかならないかくらいですし……」
「まぁ、そうだなぁ…こればっかりは本人に聞くしかないな。」
ガイが顎に手を当て考える。
「でも、お父しゃま、なんで知ってるのですか?」
ジェイドがガイの隣にある机に乗りガイと目線を合わせ聞く。
「俺には姉上がいたからな。知ってるだろ?まぁ、そんなに盛大にはしなかったが存在とかやり方は知ってたぜ。それよりジェイド。机に乗ったらお行儀悪いだろ?」
軽くジェイドのおでこをデコピンしジェイドを抱っこする。
するとジェイドはしゅんとして、ごめんなさい。と呟いた。

「うわぁ…いっぱい人形あるなぁ…」
ルークはひな壇の人形を見て感心したように言う。
「確か、名前があるのよね…えっと……」
ティアが悩んでいるとガイが
「お雛様とお内裏様。右大臣と左大臣。後は三人官女と五人囃子だな」
と指さしながら言っていく。
「まぁ!ガイは物知りですのね!!」
「ホント。ガイはあんまカンケーないのに」
アニスとナタリアは珍しくガイを褒める。
「でもよ。よく見たらこれ結構不気味じゃね?」
「た、確かに夜とか月明かりに反射したりしてたらチョー怖いカモ…」
「怖いのヤーです!」
「ハハハ。確かにな〜顔は真っ白だし目は細いし眉毛ないし」
ガイは笑いながらアニスの言った言葉を想像して怖がっているジェイドの頭を撫でて宥めながらルーク達の言葉に同意する。
「ジェイドより白くね?」
「まぁ白粉っていうチョークの粉みたいなの塗ってるらしいからな〜今で言うファンデーションってやつだ」
「じゃあじゃあ、こんな感じのいたっての!?」
アニスが有り得なーい!とでもいうように叫ぶ。
「大体1000年位前はみんなこんなんだったらしいぜ?まぁ俺も聞いただけだから絶対とは言い切れないけどな」
「なかなか独創的な絵図ですわね…」




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