Novel2

□休暇
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凄く廊下が騒がしいなとピオニーは思った。
爆音やら水の音、さらには地響きまでもする。
ピオニーは理事長室のドアを少しあけ様子を見た。

「無慈悲なる白銀の抱擁!アブソリュート!!」
「最強の思念術士の私に勝てるとでも思っているのか?」
「おやおやナルシストなんですかぁ?セイントバブル!」


……クリードとジェイドが戦っていた。
クリードは結晶界で最強の思念術士であるし、ジェイドは死霊使いと呼ばれる譜術士である。
この二人が戦っていた。
しかもジェイドは保健室を出たことをいいことにマーキングをしていないわけである。
また校舎が相当な被害を受ける…とピオニーはため息をついた。

この爆音の中授業終了のチャイムが聞こえるはずはなく………

ティアがそこにいることも気が付いていない。

「ちょっと!大佐!!そろそろ止めてください!うるさいんです!譜術が」
とティアが叫ぶがもちろん聞いていない。

ティアは最終手段を取った。
「トゥエ レイ ズェ クロア リュオ トゥエ ズェ……」
ユリアの大譜歌である。
譜術というか音素を使うジェイドはもろに大譜歌の影響を受けその場に倒れ込む。

「はぁ…やっと鎮まったわ…」
と呆れながら言いクリードを見る。
「あまり大佐を怒らせないで!次やったらジャッジメントだから」
と言いスタスタと何処かへ行ってしまった。

残ったのは結晶界や原界では有り得ない状況を見てア然としているクリードと丸まって気持ち良さそうに寝息をたてるジェイドだけだった


終わり
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