Love Game
□プールA
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(仁王side)
俺と成澤は皆と少し離れたプールにやって来たんじゃが…
成澤は今にも泣き出しそうな顔でプールを見つめとる。
可哀想じゃが、かなり可愛い。
仁王「そんな顔しなさんな。いきなり泳げとは言わんよ。」
成澤「怖いよ〜;(泣)」
仁王「ゆっくりでええから、まずは顔つけられるようにしような。」
俺が成澤の頭をポンと撫でると、成澤は何とか頷いた。
仁王「ま、最初は水につかる練習じゃな。先に俺が入るから、ゆっくり入ってきんしゃい。」
俺はプールに入り2mくらい進み、振り返る。
仁王「じゃ、ゆっくり入ってきんしゃい。」
成澤「うぅ〜…;」
成澤は恐る恐る足の先を水につける。
まるで水を怖がる仔猫じゃなぁ…
なんて一人で和んどると、ようやく成澤はプールに入ってきた。
仁王「成澤。壁にしがみついとらんで、こっちに歩いてきんしゃい。」
成澤「…沈まない??;」
仁王「成澤の身長でも顔が出る深さじゃから、大丈夫じゃよ。」
成澤「…やっぱり怖いよ〜…雅治、こっち来て〜…(泣)」
仁王「はぁ…ちょっと待っときんしゃい。」
俺はゆっくりと成澤に近づいて隣に立つ。
成澤は少し安心したような表情になった。
仁王「本気で水が怖いんじゃな…」
成澤「怖い…」
仁王「仕方ないのぅ…」
このままでは成澤が水中を歩き出さんと思い、成澤を抱き抱えた。
お姫様抱っこっちゅうやつかの??
成澤「きゃっ…ま、雅治!?///」
仁王「怖いんじゃろ??」
成澤「こ、怖いけど…///」
仁王「俺が一緒に潜ってやる。そしたら少しは怖くないじゃろ??」
成澤「一緒にって…??」
仁王「俺がこのまま成澤を抱えたまま一緒に潜るっちゅう事じゃ。」
成澤「うぅ〜;」
仁王「最初は一瞬顔つけるくらいにするき、合図したら息を止めて俺にしがみついときんしゃい。」
成澤「わ、わかった…;」
仁王「じゃ、いくぜよ。…3、2、1!!」
俺は成澤を抱えたまま息を吸い、一瞬潜ってすぐに顔を出した。
仁王「…怖かったか??」
成澤「ちょっと…;」
仁王「じゃあ少しずつ潜る時間増やしていこうな。」
それから1時間潜る練習をして、次は水中で目を開ける練習。
相変わらず成澤は俺にしがみついて…可愛いのぅ。
仁王「次は目を開ける練習をするぜよ。」
成澤「目、痛くない??;」
仁王「後で目薬さしちゃる。また俺と一緒に潜って…水中で俺が肩を叩くき、目開けてみんしゃい。」
成澤「やってみる…」
仁王「それじゃあいくぜよ…3、2、1!!」
再び二人で水中に潜る。
水中で目を開けば、成澤はギュッと目を瞑っている。
思わず吹き出しそうになるのをこらえ、成澤の肩を叩く。
成澤はゆっくりと目を開いてこちらを見た。
俺が笑ってやると、成澤も笑った。
仁王「ふぅ…案外怖くないじゃろ??」
成澤「うん…気持ち良かった!!」
仁王「よぅ頑張ったのぅ…偉い偉い。今日はこのへんにしとこうな。」
成澤「雅治…ありがとう!!」
俺が成澤の濡れた髪を撫でると、成澤はフワッと笑った。
やばい、今の顔は反則ナリ。
仁王「じゃあ…この特訓のお礼に…今度二人でデートしてくれんか??」
成澤「デ、デート!?///」
仁王「嫌か??」
成澤「う、ううん…お礼、そんなのでいいの??」
仁王「こんな嬉しいお礼はないぜよ。あ、他の奴呼ぶのは無しじゃよ。」
成澤「クスッ…わかった♪」
成澤と俺はいつの間にか2人になったプールで笑い合った。