Love Game
□始動
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ある夏の日の立海男子テニス部の部室で…
仁王「はぁ〜…」
俺が気だるそうに溜め息をつくと、赤也が仔犬みたいに目を輝かせ駆け寄って来た…
…男にそんな目で見られても嬉しくないぜよ…
切原「仁王先輩!!なーに溜め息ついてんスか〜??」
仁王「はぁ…なんでこんな暑い日に外に出ないかんのじゃ…」
俺は暑いのが苦手だ。
その上、真田の暑苦しさといったら…
思い出しただけで溜め息もんじゃな。
今は皆部活が終わり、部室で帰り支度をしているところじゃ。
丸井「あー!!腹減ったー!!」
ジャ「いってーな!!何すんだよ!!;」
部活が終わり、腹をすかせた丸井がジャッカルの頭を殴った。
ま、いつもの光景じゃな。
切原「仁王先輩!!またゲームしましょうよ!!」
仁王「こんな暑い時期にそんなめんどくさい事…」
丸井「なんだよ、おもしろそうな話してんじゃん!!」
ジャッカルにガムをもらったのか、ガムを膨らませながら丸井が話に入ってきた。
切原「だって最近やってなかったし、暇でつまんないっスよ〜;」
仁王「負けるくせによう言うの〜。」
丸井「本当だ!!赤也一回も勝ってないじゃん!!笑」
切原「つ、次は勝ちますよ!!;」
こいつらが騒いでるゲーム。
それはテレビゲームみたいなもんやないぜよ。
ターゲットの女子を一人選んで、俺と丸井と赤也で誰が最初に落とせるかのゲーム。
俺らは真剣に恋愛した事なんかない。
まわりにいる女達は、俺達を「立海男子テニス部レギュラー」としてしか見てないからのぅ。
ゲームの目的が果たされれば終了。
そいつともさよならじゃ。
ま、ひどいゲームやと思うやろうが…ターゲットになったやつらはそれなりに喜んでるから、いいって事よ。
仁王「仕方ないのぅ…ターゲット決まっとるんか??」
切原「え゙、考えてなかったっス…」
俺が眉間に皺を寄せ赤也を見ると、赤也は冷や汗をかく。
しばらく悩んでいた丸井が何か思い付いたように顔をあげた。
丸井「そういえば、明日俺らのクラスに転入生来るだろ。そいつでいいじゃん!!」
仁王「あー…女の転入生が来るって言ってたのぅ。」
俺と丸井は同じクラス、ちなみに幸村と真田もじゃよ。
切原「ず、ずるいっスよ!!同じクラスとか有利じゃないですか!!」
仁王「…赤也のクラスの女子にした時も負けとったじゃろ。」
丸井「そうそう、誰にしたって変わんねーよ。」
赤也「ひどいっスよ〜;」
赤也はツメが甘いけ、いつも俺と丸井に負けるんじゃよ。
ま、経験の差ってやつやの。
幸村「ところで、いつまで無駄話してるのかな??」
赤也「わっ!!ゆ、幸村部長!!;」
丸井「げっ…;」
二人は真っ青になって幸村から後ずさった。
幸村は背中に黒いオーラを背負ったまま、俺達に笑顔を向けている。
幸村「さっさと帰ってくれないと、部室の鍵閉められないんだけどなぁ…」
仁王「幸村、すまんかったの…赤也が帰り支度の邪魔するんよ。」
赤也「仁王先輩も一緒に話してたじゃないですか!!;」
仁王「言い出しっぺは赤也じゃよ。」
丸井「赤也が悪い!!」
赤也「うぅ〜っ;」
幸村「誰が悪いとかどうでもいいんだ。さっさと出て行ってくれないかな??(黒笑)」
これ以上幸村の機嫌が悪くなるとやっかいなんで、俺達は全速力で部室を後にした。
丸井「…ゼェ…ゼェ…;」
赤也「と、とりあえず…ターゲット決定って事で…;」
別にターゲットなんか誰でも同じ…
そう思っていた俺は、反対なんかせんかった。