Love Game
□見学
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(仁王side)
俺達は練習を始め、成澤はテニスコート内のベンチで見学をしている。
成澤は目が合えば必ず笑顔で手を小さく振ってくれる。
仁王「可愛いのぅ…」
丸井「え、俺!?」
仁王「…冗談は体型だけにしんしゃい。」
丸井「おい!!超笑顔でひどい暴言吐くなよぃ!!」
仁王「…ピヨッ。」
赤也「成澤先輩の話っスか〜??♪」
俺とブンちゃんの間に割り込むように飛び込んできた赤也。
仁王「いや、ブンちゃんの余分な肉の話じゃよ。」
赤也「なーんだ、つまんねぇの。」
丸井「余分な肉とか無いっつーの!!…てか、さりげなくつまんねぇとか言うなよぃ!!」
仁王「…ブンちゃん、落ち着きんしゃい。大声出すと…」
真田「お前達、何をしている。」
赤也「げ…;」
丸井「い、いや…成澤がいるとやる気が出るな〜って話してたんだよ。」
真田「む…そうだな。」
柳「弦一郎がサボっていた赤也達を叱らないとは…珍しいな。」
参謀はまたノートに何かを書き込んどる。
中が気になるのぅ…
真田「そ、そんな事は「成澤が見学に来て、一番喜んでるの…実は真田だよね。」ゆ、幸村!!;」
いつものようにジャージの上着を肩に掛け、爽やかな笑顔で幸村が現れた。
真田の肩に手を置き、ニコニコしとる。
真田「な、何を言っている!!///」
幸村「大声出さないで、ウザイよ。」
真田「す、すまない…;」
幸村「俺、良い事思いついたんだけど。」
自分から真田にかまっといて、ずいぶん唐突じゃな。
幸村「何、仁王??(黒笑)」
仁王「い、いや…良い事って何じゃ??」
幸村「みんな成澤がいるとやる気出るみたいだし…成澤がいると俺も嬉しいし、だから成澤にマネージャーやってもらおうと思って♪」
赤也「賛成賛成!!大賛成!!」
柳「ほぅ…良い考えだな。」
真田「し、しかし…「お前の意見は聞いてねぇんだよ。(黒笑)」…」
とうとう真田が黙りこんでしまった。
ま、涙目の真田なんて全く可愛いとか思わんぜよ。
幸村「俺達が頼むより…あ、柳生!!」
柳生「…何ですか、皆さん練習もせずに集まって…」
仁王「やーぎゅ、お前さんに頼みがあるんじゃよ。」
柳生「断固、お断りします。」
仁王「まだ何も言っとらんじゃろ。」
柳生「君達の頼み事はろくな事がありませんからね。」
幸村「柳生…ただ成澤をマネージャーに誘ってほしいだけだよ。」
柳生「嫌ですよ。」
幸村「いいからさっさと行って来いって。」
柳生「わ、わかりました…」
丸井「ま、柳生で断られても代わりに誘いに行ってやるよ…ジャクソンが。」
ジャ「俺かよ!!つか、ジャッカルだっつーの!!」
…ジャッカル、居たんか。←
柳生は渋々成澤の元に向かう。
俺達の位置からでは声は聞こえんが…表情はわかる。
成澤は最初、戸惑っていたみたいじゃが…
次第に考え込むような仕草をして立ち上がった。
赤也「あ、話終わったみたいっスよ。」
丸井「どうだったんだろうなぁ…」
成澤と柳生は俺達の元へやってきた。
成澤は少し照れた表情で軽く頭を下げた。
成澤「えっと…私、マネージャーなんてやった事ないんだけど…皆のテニス見てたら、側で応援したいって思ったの。」
赤也「じゃあ…」
成澤「わからない事だらけで、皆さんにご迷惑おかけすると思いますが…よろしくお願いします。」
そう言って成澤は笑顔で頭を深く下げた。
丸井「よっしゃあ〜!!」
赤也「うわー、俺すげーやる気出てきたっスよ!!」
仁王「…赤也、今まではやる気無かったんかのぅ。」
真田「ほぉ…」
赤也「ち、違うっスよ!!;」
ま、こうして成澤は男子テニス部のマネージャーになった。
俺は本来の目的を忘れかけとったが、ブンちゃんと赤也との勝負。
めんどうだとは思っとったが、勝負するからには負けたくはないからのぅ。
成澤がマネージャーになってくれたし、ここからが勝負じゃな。