邪神の図書館
□雨
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どんよりと淀んだ雲。
バケツをひっくり返したような豪雨。
火を操る葛西にとってこれほど憂鬱な日はない。
「はぁ〜。…ここんとこ毎日降ってるじゃねぇか……いい加減止んでくれないと…」
「やぁ葛西。おはよう。」
「あ、シックス。…おはようごぜぇます。」
あぁ。ワカメ頭が湿気によってこれでもか、というほどにうねっている。
雨の影響はこんなところにも出てるのか…
「どうしたんだい。やけに元気が無いね。さては、最近忙しくて構って上げられなかったから寂しいんだね。しょうがないね。私の胸に飛び込んで来なさい。」
「いや、別に寂しくないんで。」
「じゃあどうしたというんだい。」
「…雨が止まないから…」
火が燃え盛らずに消えちまう。
「??なら中で燃やせばいいじゃないか。」
「アンタ馬鹿ですか。そしたら屋敷が灰になりますぜ??」
「ふぅん。じゃあキッチンのコンロで我慢しなさい。」
「いや意味わかりませんて!」
あぁ…
暖かい"火"が欲しい…
「…今夜は鍋にでもしますか。」
「ならキムチ鍋にしなさい。…あぁ別に闇鍋でもいいんだよ?」
「遠慮します…」
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冬ってこたつが恋しくなるよねー
そして鍋。最高だ。
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