Suzu
□Chapter 2
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差し出された手を拒めるほどあたしは強くなくて、利用してるってわかっていても、少しでも悠也のことを考えなくて済むのなら、それでいいなんて自分勝手。
あたしからは吐息しか漏れない。せめて甘い声で彼の声を呼んであげられたら、少しは彼の救いになったかな。
それすら出来ない。救われない。救われる事を望むことを許されない。
あたしを組み敷いて見下ろす瞳から逃げるように、感じるフリして目を閉じる。
ごめんね、涼。優しくできなくて。
貫かれる痛みが永遠ならよかったのに。
今は快感にしかならない。
こんな事でしか悲しみを拭えない。足りない物を補えない。あたしも、涼も。同じ罪を背負う為。ただそれだけで体を繋ぐ。
もう誰もあたしを許さないで。誰でもいいからあたしを罵って。解りもしない同情なんていらないから。
体の一番奥に数回当たって、あたしは果てた。
どうやっても欠けた部分が補えない。気持ちはどうしたって重ならない。取り戻せない蝶番。