トランプ遊び・・・

□運命遊び
1ページ/5ページ

そもそもの発端は、(1世紀と15年と)10年前にさかのぼる。
そのころ、少年院の常連だった7歳の僕を、物好きな貴族が引き取ったのがはじまりだった。
その頃の僕はまぁ、寝るのにも食べるのにも、つまりは生きることが困難で、
その『生きる』を実行するためなら、なんでもした。
人殺しまではしなかったけれど、(そうかんがえると今の僕のほうがどうかしている)
盗みは当然だったし、すりもやったし、詐欺(子供だったから大したことはしなかった)だってした。
それでもその時の僕は、自分が生きることに対しての罪悪感があった。

こんな、人に迷惑をかけてまで僕には生きる価値があるのか?
僕はこのまま生きていて、大人になったとき、どうすればいいのか?

イタリアの、路地裏のさらに奥で僕はいつも、そんなことを考えていた、と思う。


子供の心に、“今までの僕”が混ざって、めちゃくちゃだったのは覚えている気がする。

まぁ、そのときの僕は、
たとえて言うなら普通に『海』、だった。
凪の時もあれば。
時化の時もある。


・・・昔話に付き合ってはいただけないでしょうか?




次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ