トランプ遊び・・・

□拾いっこ遊び
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D。

それが僕の識別記号だった。
みんなそれに乗じて、僕を「デイモン」とよんだ。
「悪魔」
そう呼ばれていた。

もちろん大人は僕を「D」と呼んだし、他のお偉いさんが居るときは「ドール」と呼んだ。
僕にしてみればそんなことなど関係なく、僕は僕を「僕」と呼んだ。

「デイモン」
「悪魔」


「ドール」
「人形」


Dは、僕の一番嫌いな文字になった。

Dのつくものは何でも壊したくなったし、
Dに見えるものも壊したかった。



ある日、白い綺麗な部屋に
つれてこられてずっとここに。


夜には一人ずつ僕と同じような子供が連れて行かれる。



コツ、コツ、コツ

床を、たたく音。

カチャ。

扉を、開ける音。


「D。出てきなさい」


大人が、言う。
顔は逆光で黒くなっていた。



(嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ)
(A、エンジェルは微笑んでいた)
(それにしても、僕らの名前をつけたのは誰だったか。)
(S、そうだ。スカイラーク。)
(アイツに僕は、『悪魔』と・・・・。)









「この子が、ドールです。・・・・・ジョット様。」

「ありがとう。」

僕は、初めて、いや、久々に外の空を見た。
大人は、僕より大きな子供に深深と礼をして、(子供なのに)白い部屋へと戻っていった。







「はじめまして、ドール。」
「・・・・・・・」
ジョットと呼ばれた子供は、僕の手をつかんだ。
「今日から、オレがお前の『トモダチ』だ。」
「・・・・・・・?」
「あ、オレは14歳な。お前は?」
「・・・・・・・」
「おい、黙ってたらわかんないだろ?」
「・・・・・・・」
「おーい?」

とりあえず、無視してみた。
久々に感じる風は気持ちよかったし、空は青いし、雲はカタチをころころ変えるので、それに夢中になっていれば簡単だった。
すると、彼も黙る。
しばらくの沈黙。






「・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」







彼は僕に向かって言った。



「・・・・・・・。























 お前の頭、パイナッポー。」
「殺しますよ。」

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