骸さん、大好きです。

□あくむ
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目が覚めた。
ぼんやり。

あいつを探そう。

霧の森のなか俺は歩いた。
さっきすべって転んで作った傷が痛い。

イタイ。
痛い。
遺体?

森の中に、転々と。
遺体、
亡骸、
・・・骸。

死体、
肢体。

骸、骸。

俺は、その死体に沿って歩いた。


大きな木にぶつかった。
大きな木。
幹も大きい。
太い。

骸は。
俺の誕生日だぞ。
いつでもそばに居てくれるって言っただろ。
なんでいないんだよ。

おかしな寂しさを持ちながら、俺は幹の周りを一周した。
戻ってきた。
扉ができていた。

開くと、さっきの場所に出た。

獄寺くんがいて
山本がいて
ランボもお兄さんもいて

クロームがいて
雲雀さんがいて

人がいっぱい血まみれに倒れてる。

さっき俺が居た位置と、逆のほうに立っていた。
俺が座っていた位置に、



骸がいた。
座っていた。

右目から血が流れてて。
あ、胸に穴が開いてる。

手の中に、歪な感触。
手の中に、心臓。

骸のだ。

じゃあ、骸は死んじゃったの?
おかしいよ、だって骸でしょ?
骸はもともと骸だから死ぬはずないんだ。










俺は、気づいた。

「・・・・・、夢だ。」
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