骸さん、大好きです。

□あくむ
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目が覚めた。
覚醒。
俺の周りに、人がたくさん。
いっぱい。
人、人、人人人。
あ、これってゲシュタルト崩壊っていうっけ。
ずっと同じのみてると、
それが本当にそうだったのか、わからなくなる奴。

俺はそう思った。
考えた。
だからこれは、人なんだ。

俺の周りには人がたくさん。
うん、そうだよ。
これが正しくあるべき姿じゃないのかな。

全身から血を流して倒れている姿が。

あれ、知ってる人もいるよ。

獄寺君に、山本に、ランボに、お兄さん。
えっと、なんでこんなに人がいっぱいいるんだっけ。

今ひとつうまく動かない頭で考える。

んーと、今日は、・・・そうだ。
俺の誕生日。
あ、みてみて。
机の上にケーキがあるよ。
ほら、ローソクも乗ってるし。
・・・あれ、俺何歳だっけ。
ひぃ、ふぅ、みぃ・・・。
あれ?
俺、15歳。
そっか、そうだよね
今まで14歳だったもの。

なんで俺が一人でここにいるのか。
なんでみんなが倒れているのか。
なんで俺が血まみれなのか。

そんなことに思考は廻らない。

そうだ、今日は俺の誕生日だよね。
だからみんなきてくれたんだ。

あ、よく見たら隅っこにクロームが居るじゃん。
ひばりさんも。
あれ?
二人とも動かない。
んー、・・・・。
杭?
杭で、貫かれて、壁に、打ち付けられてる。
笑顔だ。
二人とも笑ってる。
ほら、あんなに頬が引きつって。
恐怖に笑顔が絡まって。

・・・、居ない。

俺は、座っていたいすから立ち上がった。

あいつが、いない。
いつも居てくれるっていったのに。

立ち上がって、進む。
血で滑って、転んだ。








・・・暗転。
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