骸さん、大好きです。

□狂愛、歪恋、狂友
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「綱吉君のためですよ、・・・このくらい、やって見せます」
「ありがと、骸。」
骸は、ガラスケースに入れた白蘭の身体を、自慢げに振った。
綱吉も、それに、嬉しそうに笑った。
そして、白蘭のほうに向かって哂った。
「貴方が望むのなら、全て手に入れてきますよ。」
「うん。」
「他に欲しいものはありますか?」
骸は、物欲しげに、綱吉に言った。

彼にとっては、すでに綱吉が生きがいになっていた。
そして、その言葉を受け取った綱吉は、少しつまらなさそうな顔になった。

「ねぇ骸、俺はさ、お前がほしいよ。」
「?・・・僕はもう、貴方のものですよ?」
「そうじゃなくてさ、・・・いつも、俺のそばにいてよ、ってこと。」
「・・・・!」
そして、照れたように顔を背けた。
骸は、面食らったように硬直している。
・・・照れているのではない。



・・・・わからなくなっているのだ。

僕は彼が好きだ、愛してる。
だから彼の望むもの全てを彼にあげたい、わたしたい。
そして、それを受け取ったときの顔がみたい。
喜びにあふれた、あの顔を。
でも。
彼の欲しいものは僕だという。
それ自体は、まったく問題ない。
しかし、しかし。
僕が、彼のそばにずっといる、といえば彼は喜ぶだろう。
でも、それは一瞬のことなのではないか?
僕は彼のそばを離れられなくなったら、彼にプレゼントを渡せない、探せない・・・。


すでに、倒錯している。
綱吉に執着しているのではなく。
“綱吉の欲しいものを探す”ということに執着している。
それはなによりも、綱吉の心を狂わせる。

俺のそばに、いつも居てくれない骸。
なんで?なんで。
俺のことが嫌い?
、でも、いつも好きだと言ってくれる、愛してくれる。
それに、彼がいつもそばに居ないのは、俺の喜ぶものを探してきてくれるからだ。
それじゃ、俺の欲しいものを骸だといったら?
そうだ、そうしよう。
そうすれば、ずっと一緒だ・・・・。
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