骸さん、大好きです。

□暇つぶし・前編
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「ねぇねえ骸ぉ」
「なんですか、ボンゴレ?」
沢田綱吉が甘ったるい声を上げた。
彼がここ、黒曜ランドの地下に押しかけてきてから、すでに3日。
今まで僕が使っていたソファに寝転がり、
今まで僕の使っていたシャツをきて、
今まで僕が浸かっていた空間に浸かっていた。

「ボンゴレじゃなくて、つなよしっていってるじゃーん」
「はいはい、何ですか?」
僕と戦っていたときには考えられない、ダウナーな様子。
この調子で3日。
今のところ犬と千種にはばれていないが、何時見つかるかわからない。

「んふふー、まぁ、特になんでもないんだけどねー。うふふ。」
「・・・・・そうですか」
「あ、骸冷たーい」
そういってクスクスと彼は笑う。
調子が狂う。

僕が欲していた、(精神的な意味でも、身体的な意味でも)沢田綱吉とボンゴレとは思えない。
どうにも調子が狂う。

「骸さー」
「なんです?くだらないことだったら殺しますよ?」
「んー、それもいいかなー・・・」
「・・・?」
ポツリと彼がつぶやいた言葉に耳を疑う。
だって、だって彼は今――・・・

『殺しますよ』
『それもいいかな』

なんて。

「あ、そだー!ねぇねぇ、骸、俺をさぁ」

呆然とする僕の前に彼は立ち、言う。



「誘拐してみない?」




.(笑顔でそんなことを言うなんて)
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