短編小説
□約束
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君は覚えてるかな・・・あの時の約束。
この時期はポケモンリーグ開催が近いためか、挑戦者が増える。
トウカジムにも挑戦者は激増し、ジムリーダーであるルビーは大変忙しい日々を送っていた。
「なんで挑戦者こんなにいるんだ?コンテストにも出れやしない・・・」
ツツジさんみたいに挑戦者を選抜することにしようかと思ったが父さんが許してくれなかった。
厳しい特訓をしてきたルビーとルビーのポケモンにとって体力的に連日連戦は不可能ではない。
ルビーが辛いのはジムリーダーの仕事が忙しいことでもコンテストに出れないことでもない。
サファイアに会えないことなのだ。
この時期サファイアはトレーニングの為山にこもる。
電波も届かない所の為、連絡をとれない。
「サファイア大丈夫かな・・・」
毎年やっていることだから心配する必要など皆無なのだがやっぱり会えないのは不安だった。
「はぁ・・・」
壊れそうな自分を支えてくれるのは別れる前に交わした約束。
ポケモンリーグが終わるまではお互い連絡はしない。
その代わり終わったら、2人でどこか旅に出る。バトルもコンテストも忘れて遠くで2人っきりの旅をする。
それこそが心体共にボロボロな僕の力になる。
「リーダーそろそろ挑戦者の相手を・・・」
「あぁ、わかったよ。」
あと数日、君に会えないのを我慢しよう。君と再会した時に100%の笑顔を見せられるように・・・
「みんな行こうか。もう少し頑張ろう」
最強のジムリーダーは挑戦者の待つスタジアムに駆けて行った。