舞心唄

□誰よりもイ チ バ ン
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募るよ…



恋しくて仕方ない




あなたへの想い



想いは胸に秘める程…



膨らむばかりで



思い通りには、消えてくれない。



もう…



自分でさえも、コントロールすることの出来ない




『誰よりもイ チ バン』









あなたが笑うと、



「雛森、外、見てみろ。」



「…う〜ん?」



「……雪だ」



「わあぁあ〜!本当だあ〜//」



雪ではしゃいでいる雛森を見て、日番谷も笑う。




あなたが…



笑うと…ね、




温かい気持ちになるんだよ。



ただ、見ているだけ…




幸せそうなあなたを…







ただ、見ているだけで…




あなたが…



喜んでいる姿を…



「この花、また咲いたんだな」



「隊長嬉しそうですね」



「あぁ…この花萎れて<しおれて>たんだがな。誰かが毎日手入れして咲いたんだぜ」


見ているとね…



何も知らない冬獅郎。



私が手入れしてたのって言ったら、きっと複雑な表情を浮かべるだろう。



私はあなたの手を…



離してしまったのだから…



…………っ




あなたは、



本当に…何も知らない…



言葉を交わすのを



避けてきたのは…



私の口から零れそうだったから…



「助けて…冬獅郎」



その一言。




私は、冬獅郎の喜んでいる姿を見れるだけで…



嬉しくて……



切なくてっ……




…哀しみに顔が歪むのを必死に耐えてる。



あなたが怒ると…ね、



「今度、雛森に指一本でも触れたら…ただじゃおかねぇからな」


「シロちゃんっ怖かったよ」


「二度と嘗めた真似すんじゃねぇぞ」



「じゃあね♪」



「…………」




怒ると…ね、



自分で望んだことだけど





すごく、胸が痛いんだ…。





自分から離した手なのに…




自ら選ぶ行為が…



私の首を締めつける…。



冬獅郎の温もりはまだ消えなくて



それが…苦しくて、



まだ愛しくて…





駄目なのは頭では分かってる。



分かっている筈なのに…




あなたが雛森副隊長と去っていった方向へ…



手を延ばすの…



見えなくて、


届かなくて、






寒さで手が震えて




涙さえも、私の頬に冷たさを増すものでしかない。



たった一人。





だからこそ、涙流せるの。



だって……、



私は…もう……



あなたが笑った時



一緒に笑ってあげられない




あなたが辛い時



抱き締めてあげられない




あなたが涙零しそうな時



誰が涙を拭うの…?



本当は…、



本当は私が誰よりも一番に涙を拭ってあげたいんだよ?



誰よりも一番…



あなたが愛しいから。って抱き締めてあげたい。




誰よりも…



誰よりもっ……




あなたと笑っていたい。




私、冬獅郎のこと…



誰よりも愛してるもの。





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