忍たまテキスト7

□後世
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「はぁ…」
「珍しいな。小銭を数えているのにいつもと違って目が空ろだぞ」
「せんせ…オレさあ、今はこうやってたくさんの仕事のやり方を覚えて小銭稼いでるけどさ、死んじゃったらまた一から覚え直さなきゃいけないのかなあ?」
「死んだら…それはまた転生した時の事か?」
「うん。死んでまた生き返ったらまっさらな状態で生まれるじゃない?まあ…性格はそのまんま引き継ぐんだろうけど」
「性格だけじゃないぞきり丸。ちゃんと今やってる事も次の世に持って行く事はできる」
「え?ほんと?だってさ、次生きる時ってこの体じゃないよね?全然違う姿に変わっちゃうよね?」
「そうだ。まるっきり同じというわけにはいかないな。次の世を生きる為の目的に応じて肉体は変化するものだ。だが、その肉体は今の世で覚えた事を発揮できるようにも作られているんだ」
「そうなの?」
「そうだ。考えてもみろ。お前がこの歳で親からも教わらずに大人も顔負けな程仕事をこなしているのは何故だろう?乱太郎やしんべエ以上に働けるのはどうしてだろう?」
「そりゃあ、オレが小銭大好きだから…」
「では、乱太郎はどうして足があんなに速いのだろう?しんべエはどうして喜車の術に長けているのだろう?」
「…えーと、今よりももっと前に生きてた時に、乱太郎は足を鍛えてたり、しんべエは人を喜ばせてたりしてたから?」
「そういうことだな。だから今お前がやっている事も、そういう事だろう。今しっかりやっておいて、其の道をしっかり極めれば次の世でもその能力を生かせるだろう」
「へぇー!じゃあ、小銭はもってけないけど次生きる時にはもっともっと小銭を稼げるようになるってことかぁ!」
「どうしてお前は小銭にこだわるんだ…もっと大金を稼ぐくらいでかいことを言えんのか」
「いやぁー、なんかこの丸みとか平べったさとかが好きみたいで…でへへ…。でもさ、オレ…こうやってずっと自分の為に小銭稼いでるだけでいいのかな?」
「何を言ってる?お前が仕事に精を出しているおかげで仕事先の人たちがどれだけ助かってると思っているんだ」
「えっ?そうなの?そんなに助かってるの?でも、言われてみたらいつも感謝されてたっけ…」
「好きな事を心から楽しみ、極めれば周りの人たちも喜ぶ。これが天職だ」
「…そっか、オレ…知らず知らず人の役に立ってたんだ」
「そうだ。だからもうちょっと仕事量は減らせよ?お前にとって天職かもしれんが俺にとっての天職じゃないんだからな!」
「でへへへ…すいませぇん」










………………………
でも土井先生、結局きり丸のおかげで天職を見出したようなもんじゃんよ。

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