灰男s

□甘えてみても、いいですか?
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『六幻の手入ればっかしてる神田君に問題です』

「あ?」

『あたしは今何を考えているでしょうか』








堂々と人様のベッドを占領して(厳密には教団のだけど)少し下に声を投げかけると、ベッドに背中を預けて黙々と刀身を拭いている神田が数秒間間をおいて溜め息をこぼした







「知るか」

『わかんなかったらまたアレンにバカンダって言われるよ?』

「いや、その流れは明らかにおかしいだろ」

『さぁあたしは今何を考えているでしょー?』





チッとお決まりの舌打ちをかましてあたしの瞳をじろりと覗き込む神田。



でも残念だね。

どうやら神田に読心術は習得できていないらしい。






「腹でも空いてんのか?」

『ううん』






何もねぇぞ、というように手を振り払うと神田はまた眉間にシワを寄せる(きっと神田はこの表情がスタンダードなんだ、うん)





『あの、ね』







甘えてみても、いいですか。


(まずはね、三つ編みにして、タートルネックのニットを着てほしいの)

(……死んでもしねえよ)

(じゃあ神田、小さな前習えして、親指と人差し指以外曲げてみて)

(?)

(ゲッツ)

(…災厄招来……)

(わわっ、ちょ、タンマ!)





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