めいん2
□今日だけ
1ページ/2ページ
5月5日。ゴールデンウィーク真っ盛り(?)にもかかわらず、並中のグラウンドからは野球部の声が聞こえる。
(こんな暑いのによくやるね・・・。これで並中が盛んになるならいいけど)
応接室の窓からグラウンドを見ていた並中の風紀委員長、雲雀恭弥はつぶやく。
今日学校は休みなのだが、委員会の仕事があるので雲雀は登校していた。
だが実際は、応接室にいたほうが落ち着く。
というのが本音である。
それにあの人が来るかもしれないし・・・・・。
そうおもっていると、廊下を走る足音と、扉をノックする音。
「恭弥!!いるか!?」
(うるさい・・・)
とおもいつつ返事をする。
「・・・いるよ・・・」
バタン!!
「久しぶりだな、恭弥!!」
扉を開ける激しい音とともにあらわれたのは、金髪長身の跳ね馬ディーノである。
「あなた・・・もう少し静かに行動できないの・・・」
「わりィわりィ」
おもってないくせに。
「ンなことより恭弥!!誕生日おめでとう!!!」
そういっていきなり抱きつかれる。
「ぅわっちょっ・・・ちょっとっ」
あわてて今日何日か思い出す。
・・・・・ゴールデンウィークで、学校が休みで、こどもの日・・・・・5月5日。
そういえば誕生日だったかも・・・。
「おまえ自分の誕生日覚えてたか?」
忘れてた。
「どーせ忘れてたろー?」
・・・・・。
「そんな恭弥にプレゼントだ!!」
「・・・いいよ別に・・・」
「イタリアのなんとかかんとかってトコの最高級チョコレートだっ!!!!!」
「それ覚えてきてよね」
「急いでたんだよっ」
・・・ったく・・・いつまで抱きついてんだか。
それに僕の誕生日なんだから、あなたがそんな嬉しそうな顔しなくても・・・。
「ちょっと、いいかげん離れてよ」
「おぉわりィ、」
そういって離れたディーノはチョコの包みを開け始める。
「はい恭弥っ、あーん」
は?
「口あけろよー」
ガキじゃないんだから自分で・・・・・
「たのむ、今日だけっ」
・・・・・それこっちのセリフじゃない?
別にあなたの誕生日じゃないんだから・・・・・・
.