Book壱

□また逢える
1ページ/7ページ










「なあ隼人」









ディーノはカーテンの隙間から漏れてくる朝日に目を細めながら、獄寺の髪を梳いた。










「……何?」









ふわりと獄寺は欠伸を零し、返事をした。










「あのさ」









「ん?てか、寒い」









「こっち来い」










何も衣類を纏わない状態で二人は眠ったのだから、冷えるのは仕方無かった。









ひやりとするシーツに出来るだけ触れないよう獄寺は移動し、ディーノに抱きしめられた。










「で、何」










「あのさ隼人、今日どっか行かね?」











「…は?どこに」










「いやだからまだ決まってないけど、どっか」










「ふーん……」










獄寺は心地良いディーノの体温にまた瞼を落としかける。












「はーやーと、飯食うぞ」











眠りに堕ちかけた獄寺の鼻をつまみ、ディーノは笑った。










「ん〜………」










「起きろよ隼人ォ……」












目をあけない獄寺に焦れて、ディーノは泣きそうな声で言った。











「ねーむーいの」










掠れた声で獄寺は言う。










「隼人ォ………」












「誰のせいだと思ってんだ……」










ちろりとディーノを見遣り、獄寺は呟く。





次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ