Book壱
□また逢える
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「なあ隼人」
ディーノはカーテンの隙間から漏れてくる朝日に目を細めながら、獄寺の髪を梳いた。
「……何?」
ふわりと獄寺は欠伸を零し、返事をした。
「あのさ」
「ん?てか、寒い」
「こっち来い」
何も衣類を纏わない状態で二人は眠ったのだから、冷えるのは仕方無かった。
ひやりとするシーツに出来るだけ触れないよう獄寺は移動し、ディーノに抱きしめられた。
「で、何」
「あのさ隼人、今日どっか行かね?」
「…は?どこに」
「いやだからまだ決まってないけど、どっか」
「ふーん……」
獄寺は心地良いディーノの体温にまた瞼を落としかける。
「はーやーと、飯食うぞ」
眠りに堕ちかけた獄寺の鼻をつまみ、ディーノは笑った。
「ん〜………」
「起きろよ隼人ォ……」
目をあけない獄寺に焦れて、ディーノは泣きそうな声で言った。
「ねーむーいの」
掠れた声で獄寺は言う。
「隼人ォ………」
「誰のせいだと思ってんだ……」
ちろりとディーノを見遣り、獄寺は呟く。
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