Book壱
□ばか
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「ディーノのうんこ!!!」
ドアを開けた長身の男に突然浴びせられる罵声。
「ランボ!!兄さんって呼べっていつも言ってるだろ!!!」
「誰がお前なんか兄ちゃんにするか!!!」
「…こんの阿呆牛!!!!」
逃げようとする色白の少年の襟首をディーノはがしりと掴んだ。
「うああああ!!!ディーノのちび!!」
「お前よかでけーよ」
ディーノはランボのふわふわした髪の毛を掴んだ。
ドアを開ける人影がひとつ。ツナが、呟く。
「不毛だ………」
ツナに気付いたらしいディーノが、
「ツナっ!この阿呆牛何とかしてくれ!!!!」
「ツナあああああ!!!」
泣きながら走り寄るランボ。それを本気で追い掛ける兄貴分を見てツナは怒りに任せ怒鳴った。
「いい加減にしろっっ!!」
ぴたりと止まる阿呆牛と美青年。
ツナはニッコリ笑って言った。
「お菓子、食べましょう?」
どす黒い笑顔を目の当たりにして、馬鹿二人は「はい」と答えるしかなかった。