天辿翼詩〜記憶辿り〜
□舞い降りた少女
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海の音、波のさざめく音が聞こえる
うみねこが海と空の狭間を行き交い飛ぶ
白い雲が風の流れに乗り流れ、時の流れを感じさせる
突如、波がざわめき出す
緩やかな波紋から激しく波打つ
『ギャアアアアアァァ!!』
けたたましく響く奇声
海面に巨大な影が映る
巨大な翼を広げ強風を起こしながら飛ぶ、怪鳥
「討て!!」
大海原に数隻の船
多数の矢が怪鳥目掛けて放たれるが
「駄目か」
怪鳥の羽ばたきが起こす強風により矢は弾かれる
『キアァァァ!!』
より一層羽ばたき、凄まじい強風が吹き荒れる
「うおぁ!」
「うわあぁ!」
二隻が強風で転覆する
波が高くなり、甲板も不安定
「若様!どうなされますか!?」
「力は使い切ってしまった。まずいな」
怪鳥は一層高く飛ぶ
「でかいのを撃つ気か!?」
「このままでは全滅します!」
成す術無し
万事休すかと思われた