不死鳥の騎士団
□coward
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それからロンの部屋に戻ったフォーラは、皆に簡単に自分の事を話した。どういう経緯で純血の両親と暮らすことになったか、それから父親とマルフォイ家の関係についても少し触れた。
「だから、父様も母様も、ずっと私の秘密は親友のルシウスおじ様には明かしていないみたい。
でも、父様はこれからの戦いでおじ様を改心させて、改めて私を紹介したいって、そう言っていたわ。」
フォーラが話し終えると、皆しんと静まり返った。
最初に口を開いたのはハーマイオニーだった。
「フォーラ、ごめんなさい。私、さっきは無神経な事を言ってしまって」
フォーラはとんでもないと首を横に振った。
「そんな、いいの、大丈夫よ。
それより、心配してくれてありがとう。とっても嬉しい。」
そう言ってフォーラは微笑んだ。ハーマイオニーはまだ気にしている様子だったが、彼女の言葉を聞いて先程より少し落ち着いていた。
フレッドが尋ねた。
「フォーラは親に言われたことをやっぱり気にしてるよな?
思い出して傷つくなら無理に俺たちに話す必要だってないんだぜ?」
彼女は返す言葉にほんの少し戸惑ったが、落ち着いた様子で答えた。
「・・ええ、少しだけ気にしているわ。
ここに来たのは、両親から少しだけ離れて考える時間が欲しかったからなの。
それに、皆には話さなきゃいけないと思ったわ。
でも、皆が思っているほど深刻じゃないの。本当に。
だから、ここにいる間は皆と楽しく過ごせられれば、嬉しいのだけれど・・・。」
ジニーが笑顔で言った。
「もちろん!
皆、フォーラがとっても辛そうだったらどうしようって気にしていたから、話を聞けて安心した!
また一緒にお泊まりできるなんて嬉しい!」
フォーラも彼女につられて自然と微笑んでいた。深刻じゃないなんて、そんなの嘘だ。心の奥底に本当の気持ちを隠していた。
それから不死鳥の騎士団の会議が終わるまで、フォーラはここでの事を沢山聞いた。
ハリーをここへ連れてこないのは、叔父と叔母の家にいるのが一番安全だとダンブルドアからのお達しがあったからだそうだ。
ロンが言った。
「僕たちは「例のあの人」側を退治する勢力の側にいるけど、ママ達は僕ら子供を会議から何から遠ざけてる。だからどうしてそこが一番安全かとか、そんなのは詳しくはわからないんだ」
ハーマイオニーか続けた。
「私達、早くハリーがここに来るべきだって思っているの。でも、ダンブルドア先生はハリーに何も返事をしちゃいけないって。ここでの事を書いちゃいけないって仰るの。
手紙が誰かに傍受される可能性があるもの。
でもハリーだけ何も知らないなんて、彼絶対怒るに決まってるわ。だってそうでしょう?
私だってハリーの立場で何にも知らされなかったら、きっとそうに決まっているもの。」
フォーラが再び尋ねた。
「そうね・・・。
それじゃあ、ハリーは夏休みの間中ここに来る事は出来ないのかしら。」
「僕たちがそれを知るのは大人達が何か行動に起こした時になるだろうなあ。
僕ら、できる限りダンブルドアに掛け合ってるんだ。彼に梟便だって出してる。
でも、僕らも知らないばかりじゃないよ。
ハリーが「例のあの人」に狙われているのは知っているだろう?どうやらハリーの家の周りを騎士団員が交互に見張りを立てているみたいなんだ。
今日はトンクスっていう七変化の出来る女の人さ」
ジニーが続ける。
「彼女、とってもおっちょこちょいなの。でも面白くって私大好き。
フォーラの変身の事を話したら、是非見てみたいって!」
「七変化?容姿を変えられるなんてすごいわ!
他にはどんな方達がいるの?」
今度はフレッドが答えた。
「そもそも騎士団ってのは、昔『例のあの人』と戦った魔法使い達が中心になって、反抗勢力を強めてる。
俺たちの親父みたいに魔法省に勤めながら、こっそり騎士団に来てる人達も結構いる。皆それぞれ自分の普段の仕事をしながら情報を集めてるって。
まあ、話すより実際に会ってみるのが一番早いさ。今やってる会議が終わった後には絶対何人か食事を一緒にするだろうし」