炎のゴブレット

□your true self
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全ての課題が終わった今、本来であれば優勝者は讃えられ、また代表選手全員が勇敢であったと労われる筈だった。
しかしセドリックが亡くなった今、誰もがそんな気分にはなれなかった。試合が終わった後、生徒達はセドリックの死について信じられない様子だった。何故彼が死んでしまったのか、それは彼らにはわからなかった。その日ハリーが城内に姿を現わすことはなく、教員達も同じく姿を現さなかったからだ。

談話室でフォーラ達はセドリックの死について話していた。あの時のことを思い出すとまた涙が溢れそうだった。

ルニーが言う。
「きっと、試練が過酷だったのよ・・」

フォーラもパンジーもそうだとしか考えられなかった。試練の厳しさ故に命を落としたセドリックをハリーが連れて迷路から出た。そう考えるのがしっくりきた。いくらスリザリンがグリフィンドールを嫌いとはいえ、まさかハリーがセドリックを殺したなんて言い掛かりは少なくとも彼女達には想像こそできたもののあり得ないと思った。

正直三人共、ドラコはハリーが殺したと言うかもしれないと考えはした。しかし彼はそうは言わなかったし、彼女達のように試練のせいとも言わなかった。
腕を組んで、何も言わなかったのだ。

「・・・」

そんな彼を見てフォーラは気になりはしたものの、この時はそれだけだった。いや、少し気になるくらいしか、残念ながら今の彼女には想像できなかったのだ。


試練のあった2日後、夕食の時にようやくダンブルドアからあの日のことについて話があった。しかし彼は多くを語らなかった。セドリックが亡くなったこと、そしてハリーに何があったか問いただしたり責めたりしないようにということだけだった。
教職員のテーブルにはスネイプの姿がなく、またカルカロフの姿も見当たらなかった。彼等はあの日からずっとその席に現れなかったのだ。

ダンブルドアはいつの日か、何があったのか全員に話してくれるだろうか。日が経つにつれて生徒達はあの日の事をあれこれ予想立てて話していたし、ハリーとすれ違う度に皆ヒソヒソと小声で噂していた。
フォーラはハリーを心配していたし、なるべく噂立てないようにしているつもりだった。しかしそれでもやはり彼等に何があったか非常に気になったし、友人達とそのことを話さないわけではなかった。
きっとダンブルドアはあと数週間でやってくる終業日に、ことの次第を話してくれるかもしれない。生徒達はそのように予想していた。

もちろんフォーラもそう思っていた。皆と同じように大広間の寮テーブルで、年度最後の食事の前にダンブルドアからの話を聞いてそこで初めて事実を知る。そう思っていた。
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