炎のゴブレット

□"Just because it's you."
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フォーラがスネイプと別れて直ぐに彼女は何人かから質問攻めを受けていた。それに気づいて直ぐ彼女の元へ向かおうとした。けれどもそれは憚られてしまった。何故って、自分が助けの手を差し伸べる前に彼女の手を引いた奴がいたからだ。

わざわざ自分に声をかけてくれた寮の後輩には申し訳ないが、フォーラが会場から立ち去った時に踊っていた曲をかわいい後輩との最後にした。彼女は自分と少しでも一緒にいられたことを随分喜んでいた。そんな彼女から離れるのは気が引けたが今はそれどころではない。一刻も早くフォーラを見つけなくては、あのドラコ・マルフォイが自分より先にーーー

そして大広間から玄関ホールに出た時、ジョージは階段上から、大階段を降りて直ぐのところにいるフォーラの姿を見つけた。

「フォーラ!」

思わず階段を駆け下りて彼女の名前を呼ぶ。声に気づいて彼女はパッと顔をこちらに向けた。何故かはわからないが、驚いたようなホッとしたような、そんな表情だった。

「ジョージ、どうして・・・」

「急にいなくなるから心配で・・・その、大丈夫だったか?さっきの」

囲まれてしまったことは勿論だが、ジョージの言葉の中にはドラコの事も含まれていた。
フォーラは彼の言葉に一瞬何と返せば良いか戸惑ったが、少し顔を赤くして答えた。

「え、ええ。ドラコが、助けてくれたから・・・。」

恥ずかしそうではあったが、それでいて彼女は自然と微笑んでいた。

正直、ジョージは彼女のそんな表情をこの場で見るとは全く思っていなかった。だって、何故幼馴染に助けられたくらいで赤くなる必要がある?それに、何故・・・

(なんで、・・・そんなに幸せそうなんだ)

「そうか、それは・・・」

よかったな、なんて、一言でも言えるわけがなかった。

「?」

首を傾げてこちらを見つめる彼女にジョージは笑いかけた。

「少し歩かないか」

「・・・?ええ。」
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