炎のゴブレット

□practice
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午後の授業もフォーラはドラコと違う教室だった。そのクラスの中にはフォーラをパーティーに誘いたいと思う生徒が数人いた。けれどもフォーラと言葉を交わす機会のなかった彼らは皆自信がなかった。

ところがそれは彼らに関わらず、誰か特定のパートナーを誘おうと思っている生徒全員に言えることだった。あちこちクリスマスパーティーの噂で持ちきりの中、いつ言おう、断られたら・・・そんな想いが城中にせめぎ合っていた。

アレクシス・ワイセンベルクもその中の一人だった。しかし彼はそんな気持ちを抱えつつも行動力だけは持ち合わせていた。
フォーラが玄関ホール近くの階段を通って寮に向かうことは知っていたため、終業のブザーが鳴った頃に彼は授業終わりのフォーラを玄関ホールの階段で待ったのだ。


(最近はフォーラ以外のスリザリン生と話すことが多くなったから、あまりフォーラと話す時間がとれないなあ・・・。
だからこうして待ってないと、彼女をダンスに誘うことができないし・・。

ただ、ここで待っているのは酷く緊張してしまう。
マルフォイ君が彼女を誘っていないといいけど)

彼は背も高く、ホグワーツ生に紛れて他校の制服を着ているのもあり玄関ホールでは妙に目立っていた。

そんな空気にやや耐えかねてアレクシスはフォーラはまだだろうかと行き交う人々を見渡した。

「!・・・フォーラ!」

調度その時玄関ホールに繋がる階段をフォーラが降りてくるのが見えた。アレクシスは人の間を急いで抜けながら彼女を呼んだ。
声に気づいたのだろう、フォーラは呼び主をきょろきょろと探している。

「!アレクシス」

背の高さもあってフォーラはすぐにアレクシスに気づくことが出来た。
彼は笑顔で自分の方へ向かって階段を駆け下りてくる彼女に妙にドキドキした。あんなに魅力的な人が自分と踊ってくれる可能性に期待してしまう。

「アレクシス、こんなところでどうかしたの?」

アレクシスは少し躊躇いながらも何とか言葉を繋いだ。

「フォーラ、ゔぉくは少し話ある。だから待ってた。
今、ダメ?」

改まってどうしたのだろうとフォーラは首を傾げたが、笑顔で頷いた。

「ええ、もちろん。お待たせしてしまって、ごめんなさい・・。




「フォーラ、あやまらなくていい。

・・・アー、ここ、ちょっと人おおいから・・・あっち、いこう」

二人が地下牢へ続く階段を下りてひと気のない場所まで来たとき、ちょうど別の道からドラコがそちらへやってきているところだった。
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