炎のゴブレット

□hatret
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それから暫くしないうちにハリーも随分参ったことになっていた。
ドラコが言っていたモノができたのだ。スリザリン生の多くがこれを身につけていたーーー「セドリックを応援しよう」と書かれたバッチだ。これがなんと押すと赤く光って「汚いぞ、ポッター」の文字に変わる。

ハリーは廊下を歩くたびすれ違うスリザリン生に、その赤くなったバッチを向けられてうんざりしていた。

ただ、フォーラがスリザリンの中でもバッチを付けていない数少ない人物であることにハリーは少しホッとしていた。





「ハリー、私、あなたのこと、信じているわ」

グリフィンドールとスリザリンの合同授業が終わったとき、ハリーはフォーラに呼び出され、教室近くのひと気の無い階段の踊り場まで連れて来られていた。

フォーラは次にハリーに会ったらその話をすると決めていた。自分が厄介な目に遭いかけている今なら、ハリーの気持ちは以前よりも理解できる。

「・・・ほ、本当!?あ、ありがとう!でも、どうして?」

ハリーは大変驚いた様子で笑顔になった。それは彼が今どれだけ辛い状況なのかを物語っているようにも思えた。

「私、ハリーが名前を呼ばれたとき、とても驚いているように見えたの。焦っているようにも見えた・・。
名前を入れていたら、わざとでもあんな顔、できないもの」

ハリーはなんと返せばいいかわからないくらい嬉しい様だった。

「フォーラ、本当にありがとう。すごく嬉しいよ!」

「よかった。
・・・私も実を言うと、少しだけあなたのこと、疑っていたの・・・それに、選ばれなくて悲しんでいる人も見てきたから、余計に。
ごめんなさい。
でも、ルーピン先生はあなたがあんなこと、するはずないって仰ってくれたの。だから・・・」

ハリーはルーピンの名前を聞いて少し驚いたが、そうだったのかと納得した様子だった。

すると不意にハリーは何か思い出したかのように「そういえば」と言葉を発した。

「フォーラ、君って最近・・・」

フォーラはハリーが言おうとしている言葉にドキリとした。
最近、クラムにいい顔をしているらしいね。そんな言葉がハリーの口からでてきそうで胸のあたりが非常につっかえたし、妙な気持ち悪ささえあった。

「最近、ルーピン先生とよく連絡をとってるんだね」

「えっ、あ、・・・ええ。そう、ね。
先生が連絡をくださって、それから少し、フクロウ便でやりとりをしているの。」
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