炎のゴブレット

□″ I cannot leave you alone.″
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その日の夜、ジニーは談話室でジョージがフレッドと共に話しているところへと向かった。

「ジョージ、話があるの」

ジニーが話しかけて来るなんて珍しい。何だろうと思い、彼は席を外して談話室の隅にある肘掛け椅子にジニーと二人で向かい合って座った。すると彼女は少し真剣な眼差して切り出した。

「ジョージ、今日の放課後、フォーラとマルフォイがフクロウ小屋を出てすぐの所で話していたわ」

「そうか。それがどうかしたのか?」

ジョージは至って何時も通りを演じたが、フォーラという名前にほんの少し動揺してしまった自分を恥じた。まさかジニーがフォーラとドラコの話をするとは思ってもいなかったからだ。

「どうかしたのかって、私、ジョージはフォーラのことを気にかけてると思ったから言ってるのよ」

「馬鹿なこと言うなよ。別に気にかけてなんかないさ」

「嘘、フォーラの前じゃ何時も大人しいくせに」

正直、図星だった。まさかジニーに面と向かって言われるとは思ってもいなかっただけに、少し返す言葉に戸惑ってしまう。

「・・・あのな、ジニー。俺がフォーラの前で大人しいのは俺が紳士だからさ。だってそうだろ?いつだって俺は大人しいのさ」

ふふん、と冗談混じりで笑った彼に、ジニーは短いため息をついた。

「嘘ばっかり。そんなんじゃ、マルフォイに取られるのも時間の問題じゃない?
それにフォーラは最近男子にすっごく人気があるんだから。知らないの?もしかしたらマルフォイは告白してたのかもしれないわね」

「えっ」

「私、ロンよりジョージのこと応援してたのに。ジョージがそんなに弱虫だなんて知らなかった。それじゃあね」

「あっ、おい」

そう言い残すと、彼女は肘掛け椅子から立ち上がってスタスタと女子寮への階段を上がって行ってしまった。
ジョージは肘掛に深く座り直してため息をついた。

(マルフォイが告白したかもだって・・・?そんなの、ジニーの推測に過ぎないだろ。
それにあいつ、俺が弱虫だって?
フォーラがモテるのは勿論知ってる。それにマルフォイがフォーラを好きなのも見てればわかる。
だからって今すぐ告白すべきでもない。今告白したってどうにかなる保証なんてないじゃないか。

俺だって焦ってるし考えてるんだ、どうすればいいのか・・・。



・・・。マルフォイは、本当にフォーラに告白したのか・・・?)
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