秘密の部屋

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翌日、フォーラが何者かに襲われたという知らせはあっという間に校内中に広まった。スリザリン生が襲われたことは、マグル生まれでない他の寮の生徒だけでなく、当然スリザリン生自体にも大きなショックを与えた。
先生達もこれ以上襲われる生徒が増えないよう、授業の移動は先生の付き添いの元で行うなど、できる限りの対策を取ることとなった。
フォーラが襲われた話をハリー達が聞いた時、彼等もやはりショックを受けた。中でもロンはしばらく元気が無かったし、ジョージは彼ほど気にしていないように振る舞っていたが、やはり何時もとは違って静かだった。

「まさかフォーラが襲われるなんて、誰も思わないよ。だって彼女は純血だし」

ハリーがそう言うと、ハーマイオニーも頷いた。

「やっぱり、ハグリッドなの?でも……」

昨夜、ハリーはついにトム・リドルの日記の秘密を探り当てた。日記に話し掛けるような文章を空白のページに書くと、その文字は消え、新たに返事の文章が浮かび上がったのだ―――それは、トムからのものだった。
トムは以前秘密の部屋が開かれ、誰かが死んだという事実をハリーが知りたがっていることを察したようだった。そのため彼はハリーを日記の中に引き入れた。そこでハリーが見たのは、五十年前に学生だった時の優秀なトムが、ハグリッドの飼っていた大グモを殺そうとする姿だった。トムは自身の過去の記憶をハリーに共有していたのだ。
次に見た場面では、生憎そのクモはハグリッドによって逃がされてしまっていた。どうやらそのクモが秘密の部屋の怪物であり、女子学生を一人殺してしまったらしかった。そしてその一連の出来事が、ハグリッドが学校を退学させられた理由のようだった。

「でも、やっぱりハグリッドを疑いたくはないよ」

ロンが首を振ってそのように言った。三人ともハグリッドが本当に二回も秘密の部屋を開けたのか、正直確信が持てなかった。その後も三人はそのことを何度も話し合ったのだった。
その頃、ジョージは一人男子寮に篭ってベッドに横たわっていた。

(フォーラは、俺にぶつかった後にやられたんだ。なんで一緒にいてやらなかった?クソッ!)

悔しくて堪らない。ジョージが苛立ちにまかせて枕を思いっきり投げ捨てた。するとちょうど部屋に入ってきたフレッドがそれを目撃した。フレッドは手近な別の枕を思いっきりジョージに投げ付けた。

「何するんだよ」

ジョージが剣幕を向けながらフレッドをにらむと、フレッドはため息交じりに彼を宥めた。
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