秘密の部屋
□Is it jealousy?
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「ハッフルパフのジャスティンが石にされたわ!!」
決闘クラブの行われた翌日の放課後、パンジーが息せき切ってフォーラやドラコ達のいる談話室へとやってきたかと思うと、彼女は驚きを隠せない様子でいきなりそう言った。
「もうみんな知ってる」
ドラコが至極冷静にそう言って、とりあえず彼女を落ち着かせるためにソファに座るよう促した。しかしパンジーはドラコが促す前に彼が差し出そうとしていたソファの前を通り過ぎ、彼の横に腰掛けた。
何故わざわざ隣に座るのかと思ったものの、ドラコは面倒なのであえて何も言わないことにした。そんな彼等の様子を眺めていたフォーラは漠然と「仲良しね」思っていたわけだが、ドラコが話し出したことで我にかえったのか、彼の話に耳を傾けた。
「ジャスティンの奴が襲われた時、傍らにポッターがいたそうじゃないか。皆ポッターが襲ったと思ってる」
ドラコは呆れたように「ありえない」と付け足してイライラしたようにソファのひじ掛けをトントンと人差し指で叩いた。
「あら、ドラコはハリー・ポッターが継承者だと思っていると考えてたんだけど違ったのね」
ルニーが少し驚いたように彼にそう言ったのでドラコは少しばかり睨みを効かせるようにして彼女を見た。
「そんなわけないだろ。マグル生まれと仲良くしてるような奴だぞ。大体あいつにそんな事をする勇気があるとは思えないね」
確かにマグル出身者と仲の良いハリーが彼等を襲うはずがない。フォーラもルニーも、ドラコの意見に頷いた。
ドラコが話し終えた頃、クラッブとゴイルが談話室に入って来た。それに気付いたドラコが 何処に行っていたのかと彼等に声をかけると、彼等は「ジャスティンが石にされた」と言った。
ジャスティンの事件の御蔭で、ホグワーツ特急の予約を入れる生徒は殆どとなった。ハリーやロン、ハーマイオニーはドラコが学校に残る事に対して更に「あいつがスリザリンの継承者」ではないのかという疑問を強めていった。この時期にドラコ達が残るというのはハリー達からすれば怪しいこと以外の何物でもないのだ。