秘密の部屋

□It seems to be a vein
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ハリー達はハロウィン・パーティ終了後の惨事にたまたま居合わせただけだったが、その後の周囲の反応を見ればハリーが数人の生徒からあまり良い印象を受けていないことは明らかだった。なぜなら彼の事を「スリザリンの継承者」と呼ぶ者もいたし、彼との関わりを避ける者もいたからだ。

ダンブルドアは猫のミセス・ノリスを治すことが出来なかった。彼女は高度な魔力で石にされており、ハーマイオニーは「猫を襲ったのは、もしかしたらーーウーンーーヒトじゃないかもしれない」と予想していた。

「だけどいったい何者かしら?出来損ないのスクイブやマグル出身の子をホグワーツから追い出したいと願ってるのは誰?」

ある日の夜、グリフィンドールの談話室でいつもの三人が話し合っていた。ハーマイオニーの質問にロンはわざと頭をひねって見せた。

「それでは考えてみましょう。我々の知っている人の中で、マグル生まれはくずだ、と思っている人物は誰でしょう?」

ロンがハーマイオニーの顔を見ると、ハーマイオニーは、まさかという表情で彼を見返す。

「もしかして、あなた、マルフォイの事を言ってるのーー」

「モチのロンさ!あいつが口走った事が聞こえなかったのか?『次はおまえ達だ』って、君を見ながらね。
しっかりしろよ、すぐにあいつだってわかりそうなもんだ」

ハーマイオニーは疑わしげな表情で「マルフォイが、スリザリンの継承者?」と唸ったが、結局彼の家系が先祖代々スリザリンであることから考えてロンの意見に頷いたのだった。
ハリーは曇った顔で「でも、どうやって証明する?」と問いかけたわけだが、どうやらハーマイオニーには策があるようだった。
彼等が検討したのは、ドラコに気付かれずにスリザリンの談話室に入り込んで彼にいくつか質問をするというもの。しかしそれだけするのは大変な事だ。現にハーマイオニーが出した策は「ポリジュース薬」という変身したい相手になれる薬の製作だった。それを使ってスリザリンの誰かに成り済まし、情報を得ようというのだ。ただ、それには時間や労力を半端なく費やす。加えて彼らの技量で上手くいくかも定かではなかった。
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