秘密の部屋
□little by little
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「それにしても、今日のフォーラは清々しい気持ち良さだったな、相棒」
「ああ、まさかあそこで奴を捌くとは思わなかった。しまいには『大嫌い』だってさ。感動したよ」
フレッドとジョージは今朝起きた事件について夕食後のまどろみを楽しみながら面白そうに話していた。彼らの中でフォーラの株が自然と上がったのは言うまでもない。
しかし話題の彼女はドラコが大嫌いどころか、早く何とか仲直り出来ないかと考えている。けれども彼女自身、自らそのように言うのはもちろん気が進まなかった。
「フォーラがマルフォイにがつんと言ったのは嬉しかったわ。とても。
でも、あの娘はマルフォイと友達なんでしょ?喧嘩になってるんじゃないかしら」
双子の目の前に突如現れ会話に参加したハーマイオニーに少し驚きながらも、彼等は「そうかもな」と返事をした。
「ま、マルフォイの奴が嫌な思いをするのは構わないさ。でもフォーラが辛いとなるとそれはいただけない」
フレッドがそう言い、ハーマイオニーとジョージは頷いた。
「一応、今度フォーラに会うことがあれば私、聞いてみるわ」
ハーマイオニーがフォーラを心配したのは、ドラコに立ち向かったフォーラの姿が彼女の心に素晴らしく鮮明に残っていたからだろう。
「ところでハーマイオニー、ロンとハリーは?」
「ああ、あの二人なら車でホグワーツまで来たことで罰則をうけてるわ」
フォーラはその翌日、丸一日ドラコを避けた。本当はそこまでしたくない。しかし叩いておいて自分から近づくのは違う気がしたし、何よりどうしていいかわからなかった。
ドラコは何度かフォーラに話しかけようとしたが、最終的には諦めた。きっとそのうち元に戻っているはず。そう自分に言い聞かせてなんとか授業に集中した。
フォーラはパンジーとルニーに「ドラコと仲直りしなくて大丈夫なの?」と何度か心配そうに尋ねられたが、「大丈夫、ありがとう」と同じ返事を繰り返すだけだった。