秘密の部屋

□quarrel and feeling
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(フォーラは今、僕になんて言った?大嫌い?
なぜだ?あのグレンジャーを侮辱したからか?でもそんな事気にするほどのものでもないじゃないか。なのに−ーー)


フォーラが去った後、ドラコは彼女に言われた「大嫌い」と言う言葉にショックを受け、その場に立ち尽くしていた。ルニーとパンジーがドラコに大丈夫かと声をかけたが、そんなものは全く意味が無かった。
別に打たれた頬が痛いわけではない。寧ろ音の割に痛さは全くない程だ。しかしその代わりに胸が痛い。平手打ちより「大嫌い」の方が効いた。彼女があんなに怒るなんて。

ハリーとハーマイオニーは今し方起きた出来事に周囲と同様にぽかんと口を開けて呆気にとられていたが(ロンも同じくだが、ナメクジを吐き続けているために「ぽかん」とは口を開けていられなかった)、すぐにロンを早くどうにかしなければならないことを思い出して我に返った。

「ハグリッドの所へ行こう」

ハリーがハーマイオニーに促し、二人はロンを連れてハグリッドの小屋へ向かった。ハグリッドの小屋に入ると、彼等はことの経緯をハグリッドに急いで説明した。

「それで、ロンが壊れた杖でマルフォイに呪いをかけようとしたんだけど、逆噴射しちゃったんだ」

ハグリッドの手当ての甲斐あって、ロンの呪いはほんの少しだがマシになってきたようだ。ハリーはまだナメクジを定期的に吐くロンを気遣いながら、先程チームメイトやフォーラが激怒した言葉の意味を尋ねた。

「ハグリッド、『穢れた血』ってどう言う意味なの?」

ハリーの問いかけに彼はその意味を教えてくれた。その侮辱言葉の的となったマグル生まれのハーマイオニーは少なからずショックを受けたが、ハグリッド達の励ましによって酷く気にすることはないようだった。そして話の流れでハリーはフォーラが先程ドラコに激怒して頬を叩いたことをハグリッドに話したが、彼はフォーラを知らないようだったので「そいつはどこの寮だったっけか?」と聞いた。

「スリザリンだよ、フォーラ・ファントム。知らない?」

ハリーが説明すると、ハグリッドは「ああ、」と声をあげた。

「ファントムんとこの娘さんか。
あそこの先祖は代々純血主義だった−ーーんだが、何年か前に数週間だけ学校に親父の方がやってきた時は噂に聞くような悪い奴では無かったぞ。
それに奴は純血主義でもねえ。んなら娘さんも同じなのは納得がいくってもんだ」

ロンはハグリッドの話を聞きながらずっと黙りこくって考えていたフォーラが先程ドラコを叩いたのだから彼女は純血主義ではないのだろう。それはロンにとっては衝撃的だった。今までドラコの友人というだけで彼女を純血主義だと思っていたし、アーサーが言っていたファントム家の噂からしてもあまり彼女に良い印象は無かったのだ。なのにハグリッドはその噂に反した意見を言っているではないか。
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