アズカバンの囚人
□exploring castle
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それから次のホグズミード休暇があったその日の夕方、フォーラはハリー達3人に廊下で出会った。フォーラはロンとハーマイオニーが喧嘩していると聞いていたので、彼らが一緒にいることに少し安堵した。
「こんばんは。」
フォーラが彼らに声をかけると、3人とも振り返った。ロンは少しうろたえた。
「や、やあ。こんばんは。こんなとこでどうしたの?」
「図書館から、寮に帰るところよ。・・・そういえばロン、あなた、シリウス・ブラックに襲われかけたって・・・。大丈夫だった・・・?怪我はなかった?」
「あ、ああ、ウン。大丈夫だったよ。」
ロンはフォーラにその時のことを聞かれて嬉しそうにしていた。
「一体、どんな様子だったのかしら・・・」
「夜中、多分寝入ってから少し経ってたと思う。僕が寝ていたら、サーッと隙間風が入ってきたんだ。初めは夢かと思ったよ。だって、そうだよね?それで・・・」
ロンの話では、どうやらシリウス・ブラックが自分に向かって刃物を振り降ろそうとしていた、自分の叫び声で逃げて行ったという。
フォーラはまさに自分がルーピンの部屋から出て行った時間に廊下にいたことにぞっとした。
もしかしたら、自分が襲われていたかもしれないとも思った。
黙ってしまったフォーラにハーマイオニーが尋ねた。
「フォーラ?どうかしたの?」
「え・・・あ、いいえ。なんでもないの、その・・・皆が無事でよかったわ。」
今度はハリーが答えた。
「うん、それはいいんだけど、それよりフォーラの顔色が良くないよ。大丈夫?」
「え・・・あ、ええ。大丈夫よ・・・。きっと、少し疲れてるんだわ。ごめんなさい・・・。」
それからフォーラは皆と別れた。
さっきの事にしろ、最近妙に疲れが出ている気がする。考えることもネガティブになりがちだ。
(全部、自分のした事が原因なんだから・・・。もっとしっかりしないと、皆に迷惑をかけてしまうわ。)
ハリー達は寮に帰りながら先程のフォーラの様子について話していた。
「彼女、なんだか少し思いつめている感じだったわね。
バックビークの件もマルフォイが訴えた事なのに、彼に内緒で色々調べてくれていたみたい。この間彼に怒られているところを図書館で見たわ。」
「そうだったのかあ。フォーラも調べてくれていたんだね。
妙に疲れてるように見えたのは、それが原因なのかな」
ロンがそう言った時、彼は後ろから誰かに背中を叩かれた。誰だと思って振り返ってみると、フレッドとジョージだった。
「やあ、何の話だ?」
「お前達やっと仲直りしたんだな」
ロンが答えた。
「うるさいなあ、さっきだよさっき。
フォーラの話をしてたんだ。」
ジョージはピクリと反応したが、至って普通に聞き返した。
「フォーラがどうかしたのか?」