賢者の石
□then again
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翌日は校内中が大変な騒ぎだった。
何でもあのハリー・ポッターが賢者の石を狙う黒幕だったクィレルから身体を張って石を守ったとか、四階に先生達が設置した仕掛けを次々と突破していったとか。何よりクィレルに乗り移っていたヴォルデモートの復活を阻止したというのが一番の功績だった。
皆彼から話を聞きたい様ではあったが、当の本人は眠っているので無理な相談だった。その分現場に同行していたロンとハーマイオニーが質問攻めを受ける羽目になってしまった。
「なんであのポッターはいなくならなかったんだ」
ドラコがたまにそうぼやくのをフォーラは制した。
「でも、本当に彼が死んでしまったら……それは嫌でしょう?」
ドラコはフンと鼻を鳴らして「そんなわけあるか」と言ったが、実際のところはどうだかわからないなとフォーラは思った。
学年度末パーティーが日に日に近づくにつれ、フォーラ、パンジー、ルニーはこの一年間にあったことを色々話すようになっていた。
「結局、パンジーはドラコにお熱なのね」
ルニーがそう言うとパンジーは「うん、そう」と何の躊躇いもなくそう言ったのでフォーラは驚いた。すぐ向こうにドラコがいるのに。
「そういえば、フォーラはあのロングボトムなの?」
その言葉にドラコは思わずぴくりと反応して耳を傾けた。少し怪訝な顔で聞くルニーにフォーラは訳がわからなかった。
「ネビルがどうかしたの……?」
「だって、この間楽しそうに話していたじゃない。」
「あ、あれは……怪我のお詫びに色々と……。」
落ち着かない様子で言うフォーラにパンジーとルニーは怪しげな顔をしたが、二人とも意見は一致で「「やめたほうがいいわね」」だった。
ドラコもそれに心の中で頷いた。一方のフォーラは何をやめたほうがいいのかさっぱりだった。話の筋がいまいち掴めない。しかしようやく彼女達の言っている意味が分かったのかフォーラは焦って訂正した。
「……!……えっと、あの、そもそも私ネビルは好きだけど、そうじゃなくて……。」
パンジー達は「わかってるわよ」と笑ってやっとフォーラを冗談から解放したのだった。