賢者の石

□"Is her injury cured!?"
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ある日の魔法史の授業中、ドラコは興奮した様子で隣になったフォーラに小声で話した。

「ハグリッドがドラゴンを飼ってる」

フォーラは「えっ」と大きな声を出しそうになったのを自分の両手を口にあてる事で何とか防いだ。

ドラゴンを飼うことは違法だ。ハグリッドはそれを判っていたが、ドラゴンが大好きな彼はあまり聞く耳を持っていなかったのだ。

「それで、いたんだ。ポッター、グレンジャー、ウィーズリーの三人もあの小屋に」

彼の言う通り、ハリー達はハグリッドの小屋でドラゴンが卵からかえるのをハグリッドと共に立ち会った。ドラコは小屋の締め切ったカーテンの隙間からその様子を見たのだ。

「……どうするのかしら、そんな……違法なのに?」

どうなるかはともかく、ドラコは何よりハリー達の弱みを握ることが出来たことを喜んだ。

ドラコがドラゴンのことを知ったとハリー達が知らぬまま一週間と少し経った。流石にいくらハグリッドがドラゴン好きとは言え、買うことを禁止されている魔法生物をこのまま育てるわけにはいかないことは彼も薄々感じていた。それだからハリー達はハグリッドを何とか説得し、ロンの兄であるドラゴン研究家のチャーリーに件のドラゴンを引き取って欲しい旨を手紙に綴ったのだった。そして水曜の今日その返事が返って来た。手紙には『土曜の真夜中、一番高い塔にドラゴンを連れて来てくれ』と書かれていた。
ロンがこの日ドラゴンの世話を手伝った時に腕を噛まれてしまったが、とりあえず大丈夫だろうと思うことにして3人は何とか策を練って土曜に備えた。
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