賢者の石
□pleasant present
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十二月半ば、クリスマス休暇が近づいて来た。皆、友達や家族へのプレゼント選びや休暇の話で持ち切りだった。
(プレゼント……)
今年は例年に増してプレゼントをあげる相手が増えた。それは必然的にフォーラの友達や知人が増えた事を意味する。去年までは親しい人といえばドラコくらいだったのに随分進歩したと自分でも思った。
皆はどうやってプレゼントを選ぶのだろう。一、二年生はホグズミード村へは行けないのでプレゼントの入手方法を談話室にいたパンジーに聞いてみることにした。
「あら、それならこれを使うといいわ」
そういって彼女が差し出してくれたのはホグズミードにある雑貨屋やお菓子店の商品カタログだった。
「それを使って注文するの。私はもう終わったから、返さなくていいわよ」
「ありがとう。」
「フォーラのも選んだから、楽しみにしてて!」
笑顔でそう言うとパンジーはドラコを見つけたのか、そちらへ向かっていってしまった。フォーラはとりあえず女子寮へ戻り、ベッドに寝転がってカタログを開いた。全体的になんだかキラキラしているページもあればシックな商品を揃えたページもある。一通り目を通してから次に誰にプレゼントするかをリストアップしてみた。
(ドラコに、パンジー、ルニー、父様に母様、−−……セブルスさん。かな……?)
もう一度ページを開き、良いと思った物を候補にいれる。結局全員分の品番を洋皮紙に書き終える頃にはとっくに夕食前になっていた。
(ドラコには黒い革のベルト、パンジーとルニーにはそれぞれ違ったレースのハンカチ、母様と父様にはお揃いのブレスレット、−ーー……セブルスさんには紅茶の葉の詰め合わせ)
最後の『紅茶の葉』は自分でもどうかと思ったが、スネイプは紅茶が好きらしいと昔から聞いていたのでそうすることにした。##NANE5##にリストをホグズミードへ届けてもらい、フォーラは食事をとりに大広間へ向かった。
(わあ……!)
大広間はクリスマス一色だった。ろうそくや氷柱で飾り付けられたモミの木がたくさん飾ってあったのだ。