賢者の石

□Fry!Sky!
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11月、クィディッチ・シーズンの到来のため各寮は燃えていた。グリフィンドール対スリザリンの試合はもうすぐで、どちらの寮も対立し合っている。
そんな中どうやらハリーがシーカーになったらしいという話が噂になった。グリフィンドールキャプテンのウッドがハリーを秘密兵器扱いするおかげで誰もまだ彼の練習を見たことはなかったが、彼のプレーを期待する者半分、馬鹿にする者半分といった感じだった。

ある日の魔法薬学の授業の終わり、フォーラはスネイプにクラス全員の提出課題を集めて彼の自室まで持ってくるように言われた。授業で作っていた薬を最後の最後で焦がしてしまったためだ。彼女は課題の回収と鍋の片付けを終えた後でスネイプの部屋の扉を叩いた。すると間も無く扉の向こうから低い返事が聞こえてきた。

「失礼します、
スネイプ先生、課題を持ってきました。
その、どちらに置きましょうか……?」

椅子に座ったままスネイプは部屋の真ん中にあるテーブルを指差した。

「ご苦労」

そう言ってスネイプは もう行ってよろしい、と付け加えた。
フォーラが部屋から出て扉を閉めようとした時だった。スネイプが椅子に座り直した拍子に、肩足がちらりと覗いたーーー包帯を巻き付けてある。
フォーラは閉めかけたドアを急に開け、急いでスネイプに駆け寄った。

「……どうしのたかね、ミス・ファントム」

やや訝しげにこちらを見る彼に対して、切羽詰まった声でフォーラが言った。

「セブルスさん、足が……!」

スネイプは驚いたようで、急いで包帯の覗いている脚を引っ込めた。

「ミス・ファントム、『スネイプ教授』だ。気をつけたまえ」

フォーラの言葉を無視して言うスネイプの言葉に彼女は反抗した。

「違います、『セブルスさん』だわ。
……脚、大丈夫ですか……?」

フォーラは、先生としてもだが『セブルスさん』としての彼を強く心配していた。しかしあまりに心配されても逆に困るもので、スネイプは大丈夫だとぶっきらぼうに答えた。

「今日、脚を引きずっている様でしたから……、おかしいと思っていたんです。
あの、もし私に出来ることがあれば、何でも仰ってください。」
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