賢者の石

□strong-minded
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「おはようドラコ、クラッブ、ゴイル」

翌日の朝、パンジーと共に談話室に降りると何時もの3人がソファーに座っていた。

「やあ、おはよう。」
ドラコは少し眠そうにフォーラとパンジーに挨拶した。パンジーはなんだか目を輝かせている。

「貴方がドラコ・マルフォイね!私パンジー・パーキンソンよ。仲良くしてね」

ドラコは 「ああ、よろしく」と微笑を浮かべ言う。そして挨拶もそこそこに立ち上がった。

(ドラコ、そんな顔も出来るのね……)

フォーラが感心していると、ドラコが不思議そうに彼女を見ながら言う。

「僕たちは朝食に向かおうと話していたところだけど、君達も行くかい?」

「ええ、行く!」

パンジーの一声で5人で朝食に向かう事となった。

大広間まで少し迷ったが無事たどり着く事ができた。スリザリンのテーブルに着くなりドラコは他のスリザリンの何人かに話し掛けられていた。

(マルフォイ家って、やっぱり有名なんだ……。パンジーもドラコの事、知っていたみたいだったし)

彼の周りを見渡せば、今日一日で結構な人数と話していたのがわかるだろう。社交的なドラコと違って自分は特にそういう交流ができない。家で開かれるパーティーでだって、恥ずかしくて余り喋った記憶も無い。フォーラはなんだかドラコの社交性が羨ましかった。

「そういえば、ファントム家って貴族よね、有名な」

パンジーが少し興味を持ったように聞いて来た。フォーラは困ったように唸る。

「あまり気にしないでいてくれると、嬉しいのだけど……。」

「大丈夫よ、だからって何も変わらないもの。ただドラコと仲が良いのは羨ましいわ」

パンジーがドラコに聞こえないように笑って言ったので、フォーラもつられて笑った。


それから数日はどの1年生も大変だった。教室移動から授業内容、寮へ戻るのも。フォーラはというと、まだどの授業が一番好きかだとか、校内の階段はどれがどこに繋がっているかだとかはよく解らなかった。しかしやはり一日目に比べて友達は増えた、と思う。あまり自分から話し掛けることの無いフォーラだが、ドラコやパンジーの紹介、またファントムの名を知っていて話しかけて来る人と話すうちに何だか自分も少しスリザリンの皆との輪が広がっていくような気がして、それがなによりフォーラにとっては楽しかった。
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