賢者の石
□Congratulations!
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ついに昨日、ホグワーツから新入生への入学許可書がフォーラ・ファントムの元へと届いた。
あまりに嬉しくて、彼女は思わずその手紙と、それを運んで来た梟をぎゅっと抱きしめた。
フォーラの母親も父親も、その報せに微笑み、さっそく明日にでもダイアゴン横町へ買い物へ行こうということになった。
「そういえば、マルフォイ家のドラコも今年から一年生だったわね。」
フォーラの母、リプトニーが言う。
「マルフォイ家は代々スリザリン。ルシウスもナルシッサもそうだった。だからドラコもきっとスリザリンね。」
リプトニーはどこか懐かしむような顔で微笑み、その様子を眺めていたシェード……もといリプトニーの夫は妻の言葉を引き継いだ。
「私達ファントム家も代々スリザリンというのは知っているね。
フォーラがスリザリンでなくとも何も言わないが、できればスリザリンであると私達としてもとても嬉しいよ。」
父の言葉にフォーラは優しい笑顔で返す。
「そうね、父様。……私、他の寮は、よくわからないけれど、入るなら父様と母様と同じ、スリザリンがいいな……。」
ファントム家、この家系は由緒正しき貴族の家柄。代々純血主義だったこのファントム家だが、フォーラの両親にとって、そんな事はあまり気になる対象ではなかった。
それはもちろんフォーラ自身も同じ。
しかしやはりスリザリンの家系というだけあって、父親はどこかたまに「ソレ」らしい。
まだ見せてはいないが、心優しき人の中のスリザリン特有の狡猾さという物も合わせ持っていた。
しかしその娘に狡猾さがあるかといえばけしてそうではなく、いたって普通の少女である。
「さあフォーラ、明日は早い。今日は早く寝なさい。」
「はい、おやすみなさい。」
父に促され、フォーラは明日目にする学用品達を楽しみに、一人広い屋敷の自室へと向かった。
そして翌日の午前中、ファントム家は煙突非行でダイアゴン横町へと向かった。
今は3人供、教科書を買ったり、必要な物を見て回っているところで、なかなか混雑していて慌ただしい。