アズカバンの囚人

□teacher
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さて、ようやくホグワーツ特急の長い旅路が終わった。フォーラたちがホグワーツの正面玄関まで来た時、グリフィンドール寮のネビル・ロングボトムが急いで彼女たちの横を通り過ぎて行くところだった。

「あ……ネビル?」

フォーラが彼に声をかけると、振り返った彼は彼女を見て顔を真っ赤にした。

「わっ、ええとフォーラ!久しぶり!」

「ええ、久しぶりね……。そんなに急いで、何かあったの?」

「それが……さっきの列車で君も吸魂鬼(ディメンター)を見たよね?あいつのせいでハリーが気絶しちゃって……もう大丈夫みたいだけど、これから先生に知らせに行くところなんだ」

そう言ってネビルは足速に玄関ホールへと駆けて行ってしまった。ドラコは勿論その話を聞き逃す筈がなかった。それだから、フォーラたち女子三人がドラコたち男子勢と別れて先に大広間の食事の席についている間、案の定彼らは後から来たハリーたちを大広間の入り口で待ち伏せし、ちょっかいを出していたのだった。
遠目にそれを視認したルニーが、呆れたような可笑しいような声を出した。

「ドラコって、ポッターに敵意剥き出しすぎだわ」

因みに、敵意剥き出しなのはドラコだけではなかった。宴会の挨拶の際のスネイプは『闇の魔術に対する防衛術』の教員として新しく就任した、リーマス・ルーピン先生―――先程ハリーたちと同じコンパートメントにいた人物―――を憎しみの表情で睨んでいた。
フォーラは誰かに対してあんなにも憎悪の表情を向けるスネイプを見たことがなかった。それだけに、二人の間にはきっと何かあったに違いないと思わせた。

さて、ルーピンの就任意外にも宴会で伝えられたことがいくつかあった。最も重要な話としては、アズカバンの監獄からシリウス・ブラックが脱獄したことを受け、学校側が警備員としてアズカバンの看守を担うディメンターを受け入れることになったそうだ。そして彼らはホグワーツの入口という入口を固めていること。そして彼らにけっして近づいてはならないということだった。
そして他には『魔法生物飼育学』の授業を新しくハグリッドが受け持つことになったことも伝えられたのだった。
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