アズカバンの囚人

□interest
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フォーラはグリフィンドールのテーブルへ向かいながら、ウィーズリー家の誰かが何処かにいないかと見渡した。すると長テーブルの真ん中あたりに、フレッドとジョージ、ロンとハリーとハーマイオニーの姿があるのを見つけた。何やら何人かが悩ましい顔をしているのが、離れた場所からでも見て取れた。
そのころネビルはハリーの近くの席で朝食を摂っているところだった。彼がフォーラに気付いたのは、彼女がグリフィンドールのテーブルの端に到着した時だった。

(あ……フォーラだ!どうしてこっちのテーブルに?何か用があるのかな。少し話せないかな。うわあ、こっちに来る。せめて挨拶くらいは―――)

ネビルの顔は少し赤くなっていた。フォーラが近づいた時、ネビルは勇気を振り絞って彼女に声をかけた。

「フォーラ、おはよう……!!!」

それを聞いたハリーたちはネビルを見た後、彼の視線の先に目をやった。するとそこには案の定フォーラがいて、彼女はネビルに挨拶しているところだった。ロンは顔の赤いネビルに少し羨ましさを覚えた。自分よりネビルの方がフォーラと仲が良いからだ。ところがフォーラはネビルを通り過ぎて自分たちの方へやってきたので、ロンは胸の鼓動が少し早くなった。
ジョージもまた先程まで悩ましい顔をしていたのに、フォーラがこちらに向かっていると気づくや否やそんな表情は何処へやら、落ち着いた表情で取り繕った。

「フォーラおはよう。どうしたんだ?こっちに来るなんて珍しいな」

ジョージが朗らかに挨拶をすると、フォーラも彼らに挨拶した。そして彼女は周囲のグリフィンドール生がチラチラと自身のネクタイを見て来ることを気にして目を泳がせた。

「ああ、気にするなよ。スリザリンでもフォーラは大歓迎さ」

立たせたままで目立つのも可哀想だと、フレッドが自分の座っている場所から横に詰めて座り直し、彼女に空いた所に座るよう促した。

「あ……そんな、すぐ済むから、大丈夫よ。」

申し訳ないからと首を横に振る彼女に、フレッドは気さくに彼女の手を取った。

「いいからいいから、気にするなよ」

「じゃあ、少しだけ。」

フォーラはフレッドとその隣にいたハリーの間に埋まるようにして座った。

((フレッドとハリーが羨ましすぎる!!))

ジョージとロンが内心そんなことを思う中、フォーラが切り出した。
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