NEWStory 2
□ミーティング 6
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「もう行こう?朝ごはんは、抜き!」
と山下。
「えぇ!?……はぁ、しょうがないか…」
小山は、ちょっと泣きが入った。お腹空いた…と、こぼす。
「ふふっ(笑)。」
山下は鍵をジャラジャラ鳴らして、
「忘れ物、ない?」
「えーっと…たぶん…ない。」
「じゃあ、行くよ〜ん。あっ、慶、これ。」
と、小山はなにやら持たされた。
「ん?なに、これ?」
「俺の特製おにぎり♪イェーイ!」
「えぇ!?マジで!?ちょー嬉しい。ありがとう。」
山下に抱きついて、頬にキスした。
「うわぁ〜、キスとかいいからぁ!時間ないから、もう!!」
「(笑)そうだった!行こう!」
小山は、山下の車の助手席で、ニコニコしながら山下特製おにぎりを頬張っている。
「ねぇ、お茶とか溢さないでよ?」
「大丈夫だって。」
「こないださぁ、酔っ払って、なんか…みっともないとこ、見せちゃったけど…俺、あんなになったことないんだよ。」
「えっ?そうなの?」
「うん。何であんなになったかわかんないんだよ…。起きたら『あれ?いない…』って…」
「あっ、俺が?あぁ…。それにさぁ、あんなんなったのだって、たまたま、体調と合わなかったんじゃない?」
「そうなのかなぁ…、ちょっと自信あったから、ショックだった。それで思考力が鈍ったんだな、きっと。」
「何が?」
「鍵だよ…。」
「あぁ…、もういいじゃん、それは…。俺が唯一引っ掛かるのは、シゲに見透かされたことだけ(笑)。」
「(笑)。まだ言ってるよ。慶…ありがとう…。何かさぁ、ちょっと楽になった。」
「そう?なら、よかった。」
小山の家に着いて、
「じゃあね、またあとで。」
と山下が言った。
「うん。トモヒサ、ありがとね。」
小山が手を振ると、山下も手を振って、車を発進させた。
小山は山下の車が走り去るのを見送った。