NEWStory 2


□ミーティング 2
2ページ/15ページ



「ここに来る途中、マネージャーの車の中で寝て来たんだろうけど…足りなかったんだね。」

手越の枕代わりになってる小山が言った。

「そうだね。そういえば、シゲはどれくらい遅れるの?」

「なんかね、大学の授業を一つだか二つだか取ってたから、それが終わったら来るらしい。」

「そうなんだ。いま来ないんだから、少し遅れるね。」

ミーティングルームがざわついてきた。

「うん。…。そろそろ始まる?」

「手越、起こさないと。」

「手越、手越。起きて、打ち合わせ始まるから。手越。」

手越の肩をポンポンと叩いた。

「…ん…ん?なに?…。」

まだ寝ぼけている手越。

「手越、打ち合わせ始まるよ。」

「あっ、うん…。俺…寝ちゃったんだ?ごめんね、慶ちゃん。」

ようやく起きた手越に優しく話かけた。

「いいよ。目、覚めた?」

「うん。」

少しぼんやりしているようだったが、ピシャッピシャッと自分の頬を叩いて気合いを入れた。



いよいよ、ミーティングが始まった。






大学の授業が終わったシゲが、遅れて打ち合わせに参加し、数時間後、この日の打ち合わせは終了。

小山は、この日収録がこのあと入っていて、時間的にギリギリなので急いで荷物を片付けている。

「P、俺さぁ、これから収録があるから行くわ。後で連絡するから。」

「あっ、俺も取材入ってたみたいだから。出なかったらメッセージ入れて。」

「うん。わかった、じゃ。」

小山はダッシュでミーティングルームを出て行った。

この日の打ち合わせで、小山と歌う曲を一つ作りたいと山下が言い出し、曲を用意するから、どんなイメージの曲がいいかだけ決めてきてと、言われたのだ。

作詞は山下がするが、曲が上がってからなので、イメージをどうするか、このあと話をしようというのだ。

堂々と、会う口実ができたわけである。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ