NEWStory 2
□ミーティング 2
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「ここに来る途中、マネージャーの車の中で寝て来たんだろうけど…足りなかったんだね。」
手越の枕代わりになってる小山が言った。
「そうだね。そういえば、シゲはどれくらい遅れるの?」
「なんかね、大学の授業を一つだか二つだか取ってたから、それが終わったら来るらしい。」
「そうなんだ。いま来ないんだから、少し遅れるね。」
ミーティングルームがざわついてきた。
「うん。…。そろそろ始まる?」
「手越、起こさないと。」
「手越、手越。起きて、打ち合わせ始まるから。手越。」
手越の肩をポンポンと叩いた。
「…ん…ん?なに?…。」
まだ寝ぼけている手越。
「手越、打ち合わせ始まるよ。」
「あっ、うん…。俺…寝ちゃったんだ?ごめんね、慶ちゃん。」
ようやく起きた手越に優しく話かけた。
「いいよ。目、覚めた?」
「うん。」
少しぼんやりしているようだったが、ピシャッピシャッと自分の頬を叩いて気合いを入れた。
いよいよ、ミーティングが始まった。
大学の授業が終わったシゲが、遅れて打ち合わせに参加し、数時間後、この日の打ち合わせは終了。
小山は、この日収録がこのあと入っていて、時間的にギリギリなので急いで荷物を片付けている。
「P、俺さぁ、これから収録があるから行くわ。後で連絡するから。」
「あっ、俺も取材入ってたみたいだから。出なかったらメッセージ入れて。」
「うん。わかった、じゃ。」
小山はダッシュでミーティングルームを出て行った。
この日の打ち合わせで、小山と歌う曲を一つ作りたいと山下が言い出し、曲を用意するから、どんなイメージの曲がいいかだけ決めてきてと、言われたのだ。
作詞は山下がするが、曲が上がってからなので、イメージをどうするか、このあと話をしようというのだ。
堂々と、会う口実ができたわけである。