短編小説

□未来
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あのツアーから数ヶ月後…。





「小山…。最近、山下くんとあんまり一緒にいないけどさ…どうしたの?」


他のメンバーも気付き始めたことである。


あれほど仲良さそうにしていたのに、最近の山下と小山はどこかよそよそしい。


とはいえ、別れたふうでもなさそうな感じなので、メンバーは困惑気味なのだ。


「別に…どうもしてないけど?」


心配して聞いてきたシゲに対して、小山はそう答えた。


「どうもしてないようには見えないけどな。なにもなきゃ別にいいけどさ。今のところ、仕事に支障をきたしてるわけでもないし…。ケンカしたってわけでもないんだろ?」


「ケンカはしてないよ。」


「……。ケンカは?なんか…含みのある言い方に聞こえたけど?」


小山は、しまったという顔をした。


「おまえさ…。嘘は付けないな。他の人は騙されるかもしれないけど、俺にはバレるよ。………。」


言いたければ言ってもいいんだよ、というシゲの沈黙を理解しつつも、小山はやっぱり言いたくなさそうだった。


「分かった。小山が言いたくなったら、いつでも聞いてやるから。そんときは連絡してくれ。なんか…逆に悪かったな…。」


「…ごめん、シゲ。」


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