短編小説

□OUT STORY 1
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きっかけはなんだったんだろう…。

気づいたら、ずっと目で追っていた。

俺は、なんか物凄い人と同じグループになったことに、驚いて…すごく緊張して…。

でもその分、嬉しかったことも事実。

一緒に仕事が出来ることが誇らしかった。

多分、最初は、憧れの人って感じで…。そういうふうに思ってずっと目で追っていた。と、思っていた。


ある日ふと気づいた。なぜか少しずつ俺は避けられているような気がしてきた。

目が合うと以前は柔らかな笑顔を返してくれた人が、今は目が合うとすぐにそらすようになった。


“俺…なんか嫌われるようなヘマしたかな…”


真剣に悩んだが、まったく思い当たる節がなかった。

「シゲ…相談があるんだけど…。」

「なに?」

「ちょっと…」

と言って、親友でもあるシゲを人気の無いところに引っ張っていった。


「なんだよ。なんか、深刻そうだけど…」

「俺さ…嫌われちゃったのかな…」

「嫌われた?誰に…。」

「あの……ヤマピーに…」

「山下くん?なんで?」

「だってさ、目が合っても、目をそらすんだよ。今までは、ニコッて笑ってくれたのに。…なんかヘマしたかな?俺。」

「たまたまじゃないのか?気にしすぎだろ?」

「そうかな…。すごい気になるんだけど。」

「聞いてみれば?本人に。」

「それが出来たら、シゲに相談してないって」

「うーん。おまえがいつものとおりにしてれば、また元に戻るんじゃないの?ま、俺は思いすごしだと思うけどね。」

「いつものとおりか…」

「そう。」
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